《岩本勉のガン流F論》日本ハムに分がある第6戦 絶対的エースを引きずり出した
■2025 パーソル クライマックスシリーズ パ ファイナルS第5戦 日本ハム7-1ソフトバンク(10月19日、みずほペイペイドーム)
「らしさ」発揮で大金星の古林
文字通りの大一番で古林が大金星やで! チーム内で調子を上げていることを確認していたのだろう。負ければシーズンが終了する一戦で出番が回ってきた。
一言で表現するならば、持ち味を存分に発揮してくれた。スピンの利いたストレートに、カーブと落ちる球のコンビネーション。しっかりと「らしさ」を出した。
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相手打者を受け身にさせた攻めの投球
立ち上がりの一回がポイントだった。中でも2死三塁で4番の柳田を迎えたシーン。攻めに攻めた。最後は内角高めの直球で空振り三振に仕留めた。
スタートから相手打者をねじ伏せることしか頭になかったようなピッチングではあった。あの場面も、かわそうという雰囲気は一切、見られなかった。そこで自分のスタイルに、より自信を持ったのだろう。二回以降は攻めの一点張り。相手バッターが受け身になっていた。
第3戦からは好転、好循環の連続
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2連敗して後がなくなってからは、流れがファイターズに好転し、まさに好循環の連続となった。
第3戦、6-0となって先発の伊藤を降ろし、山崎を登板させた。第4戦では、同じようなシチュエーションになり、杉浦と畔柳をマウンドに送った。調子を上げてもらいたい投手にことごとく機会を与えた。その山崎は、この日の第5戦でもリリーフし、1回⅓をしっかりと無失点に抑え込んだ。
打線は7人以上が好調を維持
さあ、日本シリーズを懸けた第6戦だ。現状、ファイターズがホークスのリーグ優勝をかすめる勢いを見せている。予告先発が発表され、ソフトバンクはモイネロが第1戦に続いてマウンドに上がる。ただ、絶対的エースを引きずり出したのは日本ハムなのだ。失うモノは何もない。
右バッターのレイエスに郡司、水谷は絶好調。左打者も清宮幸に水野らのバットの出は良い。9人が並んだ時、7人以上が好調を維持している。イケイケのファイターズに分があると見る。
前例を覆してこその進歩、成長
そして先発の達。こんな最高のシチュエーションで再び投げられる。その幸せをかみしめ、後先を考えずに今季の集大成と思って腕を振ってもらいたい。自分の可能性をさらに追い求める欲だけでいい。それがチームの勝利にもつながる。
ファイターズが勢いに乗って、リーグVの王者を食ってしまうのか。またはホークスが意地を見せるのか。ファーストステージを勝ち上がってきたチームが、ファイナルで0勝3敗から五分に持っていった例は今回が初だという。次戦、日本ハムが勝てば、またまた初の快挙だ。私は前例というものが嫌いだ。前例は、あくまでも今までの傾向でしかない。それを覆すからこそ、人は、組織は進歩、成長していくものである。