《鶴岡慎也のツルのひと声》エグい働きを見せている助っ人 中途半端な攻めは通用しない
■2025 パーソル クライマックスシリーズ パ ファイナルS第4戦 日本ハム9-3ソフトバンク(10月18日、みずほペイペイドーム)
北山は「ナイスゲームメーク!」
流れは完全にファイターズ。ソフトバンクが日本シリーズ進出に王手をかけているのは変わらないが、面白くなってきた。
まずは先発の北山。決して絶好調というわけではなかった。直球が荒れ気味で、変化球もここぞのシーンでなかなか決めきれていなかった。それでも7回3失点。その粘りが実に素晴らしかった。ナイスゲームメーク!とたたえたい。
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扇の要が見せたベテランの味
調子が良くない投手を勝たせるには捕手のリードが必要だ。その役割を果たしたのがベテランの伏見。ストレートが高めに外れ気味だったのをプラスに転化させた。同じ高さからカーブを投げさせたり、手を替え品を替えてあらゆる投球術を引き出した。
活発な打線も念頭に入れ、決して窮屈なリードをせず、テンポ良く北山を導いた。これぞベテランの味だろう。
期待以上のパフォーマンス! やはり頼れる男
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さあ、打線。前日の一回、郡司が先制犠飛を打ち上げた。これで完全に普段通りのリズムを取り戻した。14安打で9得点。実に効果的に加点していった。
中でもやはりレイエスだろう。エグい!と言わせてもらいたい。ペナントレースも彼が引っ張ってきた。CSも軸になるとは思っていたが、期待以上の働きを見せてくれている。
手が付けられない状態
この日に限っては、ホークスのバッテリーが攻め方を徹底できていなかったように見えた。これでもかというぐらいインコースを突くのか。または、変化球を我慢できなくなるぐらい低めに投げ続けるのか。ハッキリ言うと中途半端だった。となれば、レイエスに自然と軍配が上がる。
1本目の本塁打。大関のフォークが浮いた。まさに、そこは打つよね。それをヒットじゃなく、確実に長打、ホームランしてくれる。そして2本目。倉野コーチがマウンド上の上茶谷の元に向かった後だった。おそらく、内角を突き続けろといった指示が出されたはず。1球目、インコースに投げられた時点でレイエスも確信したのだろう。カウント3-1からの5球目。ストライクからボールになる難しい球だったのだが、巧みにさばいて、ライナーを左翼テラス席に持っていった。相手バッテリーからすれば、もう打つ手なしといったところか。
確かな技術と読みと
体が大きく、手足も長いレイエスだが、コンパクトにバットをスイングできるのが大きな特長だ。そして読みもさえる。
次戦、ある程度、勝負を避けられるだろう。その後を打つ打者がカギになる。そこに来て、郡司や清宮幸も状態がいい。さあ、勢いに乗ったファイターズ。期待は膨らむばかりだ。