レバンガ富永啓生の本拠地デビューに大歓声 チケット値上げもホーム開幕戦の最多動員
第3Q、ドリブルで敵陣に攻め込む富永(中央)=撮影・東倫太朗
■B1リーグ第4節第1日(10月18日、札幌・北海きたえーる)
▽レバンガ北海道74-91FE名古屋
4季ぶりのホーム開幕白星発進を狙った新生・レバンガは、大差で敗れた。立ち見席を含むホーム開幕戦としては過去最多の6529人を動員したが、FE名古屋の帰化選手を含む〝スリー・ビッグ〟に制空権を奪われ、3戦連続の90失点。新加入の日本代表SG富永啓生(24)は前半で12得点したが、後半は2得点と精彩を欠いた。
コート全体がチームカラーの緑色に染まった
3勝2敗で迎えた本拠地初戦。クラブ創立15周年の記念ロゴ入りの開幕記念Tシャツで、コート全体がチームカラーの緑色に染められる最高の演出。先発に富永の名前がコールされると、「来たことを後悔させたくない。ハードにプレーする」と誓った。開始33秒、富永のファーストシュートで富永劇場の幕は上がった。
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第1Q、ファウルを受けながらシュートを決める富永(右から2人目)
背番号30が爆発したのは、3点ビハインドで迎えた第1Q残り59秒。相手ゴール下でリバウンドを拾うと、二人のマークの間からファウルを受けながらそのままゴールに押し込んだ。フリースローも決め3点で同点。そしてそのわずか28秒後には、相手ディフェンスを前に、ゴールから遠ざかりながら打ったステップバックスリー。さらに残り10秒、ファウルで得たフリースローを2本とも成功。わずか46秒で8得点。会場のボルテージも加熱した。
第3Qで減速 「もう、本当に情けない」
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ところが第3Qではドライブから得点するシーンはあったが、得意の3点シュートを連続で外すなど、プレーの精度が下がった。この日の3点シュートは5本打って成功は1本。前節は0本。相手チームのマークもきつく、体力も削られ第4Q2分過ぎに、自ら交代を訴えた。富永を欠いたチームは残り5分で22点差と絶望的な差をつけられたが、ブースターは第2節の広島戦で32点差というBリーグ最大の逆転劇を演じた選手たちを信じて、大歓声で選手の背中を押し続けた。
敗戦をベンチで見守った富永は「もう、本当に情けない。自分たちが一番勝たないといけない、と分かっている中で、全く自分たちのバスケットができず、相手のやりたいことを、たくさんやらせてしまった。個人としてもシュートがなかなか決まらない中で、チームを助けることができず、すごく悔しい一戦となりました。気持ちだけちょっと前に行ってしまって、それがプレーに出せなかった」。最初で最後のBリーグのホームデビューはほろ苦い結果となった。
チームカラーの緑色に染まったスタンドから声援を受け、懸命にプレーをする富永(中央)=撮影・西野正史
厳しい表情のロイブルHC 守備の再構築が急務
守備の再構築が急務だ。ロイブルHCは「きょうは非常に残念な結果に終わってしまった。大きな敗因としては、特に前半のディフェンスが良くなかった。相手のシンプルなプレーに対して、ディンフェスがやられてしまう。結果、名古屋に確率の高いインサイドのシュートを決められてしまった」と厳しい表情。ディフェンスに大幅なテコ入れの必要性を口にした。
「タイミー」がプラチナスポンサーに
黒星発進となったが、注目度は過去最高だ。6月に新オーナーに就任した小川嶺氏(28)が代表を務めるスキマバイトサービス「タイミー」が、クラブのオフィシャルパートナーの最高峰「プラチナ」になることが17日に発表された。これまで小川オーナーの私的な支援だったが、豊富な資金力がバックについた。今季は売り上げ目標を過去最高の20億円に設定。一般販売の入場券を一部席種で値上げ。さらに対戦カードなどによって、値段が変動するダイナミックプライシングを導入した。それでも、きたえーるでのリーグ戦最多動員6646人(23年10月25日・千葉ジェッツ戦)に迫る動員を記録した。
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富永は「素晴らしい雰囲気でしたし、自分たちもたくさんのファンの前でプレーすることはすごく楽しいです。きょう1試合、後悔させてしまったと思うので、しっかり休んで、明日の試合は勝利をファンの皆さんに届けられるよう頑張っていきたい」。24年パリ五輪で日本を興奮の渦に巻き込んだプレーで、北海道のファンを魅了する。
試合終了後、レバンガ北海道のファンとハイタッチする富永(中央)