ファイターズ
2025/10/16 18:20 NEW

《ハム番24時》10月16日


 ベストを尽くしても、どうにもならないことがある。15日の試合の結末は非情だった。延長十回1死満塁で打席には山川。大ピンチで救援した玉井と進藤のバッテリーは内角シュートを意識していると読み、外のカットボールを選択した。狙い通りにバットの芯を外し、サード方向へのゴロ。薄氷を踏むような任務をほぼ完璧にこなした。

 打球は高くバウンドして三塁手の頭を越えた。新庄監督が「アンラッキーだった」と振り返ったように紙一重のサヨナラ打だった。内野の守備位置や打球の質が少し異なれば、三ゴロゲッツーで絶体絶命の窮地を脱する可能性があった。

 責められる内容ではない。ヒットはもちろん、四死球や暴投、犠飛すらも許されない究極の場面。記者は渾身の1球を投げきったことに価値があると感じた。ただ、本人は「イメージしていた打球ではあったんですけど、ここまで来たら結果が全て。どんな当たりでも、捉えられても抑えることが全てだと思う。何か足りなかったところがあったのかな。向こうが上回っていたのかな、というのはある」と謙虚に振り返った。

 どうしても抑えたかった理由が、もう1つあったという。四球と安打で満塁のピンチを招いたのは後輩の金村だった。「特にシーズン後半、中継ぎでずっと頑張っていた。あそこで抑えていれば、金村のことも救うことができた。それができなかったので申し訳ない。抑えるか、抑えないかで、一人のピッチャーを殺してしまうこともあるから」。仲間の命運さえも背負う火消しの重みをあらためて垣間見た。

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