《岩本勉のガン流F論》敗戦の中に見えた光明 やはり並の成長株じゃない!
■2025 パーソル クライマックスシリーズ パ ファイナルS第1戦 日本ハム1-2ソフトバンク(10月15日、みずほペイペイドーム)
神様がほほ笑んだのはソフトバンク
初戦を落とした日本ハム。ただ、野球の神様がどっちにほほ笑むか。それほど、点差はもちろん内容も僅差のゲームだった。
サヨナラのシーン。玉井に責任はないだろう。延長十回1死満塁で登板した。山川の打球は大きくはね、結果的にヒットになったが、しっかりとゴロを打たせていた。バウンドの場所によっては併殺打になっていてもおかしくはなかった。
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玉井よ、あなたは悪くない
山川との勝負は1球で終わった。選択したのはカットボール。これも納得できる。最大の武器は右打者の内角を突くシュート。だが、投げる前から、そのイメージは各打者に植え付けられている。裏をかいたカットボール。問題はない。
玉井に関しては、その自信が揺らぐことはないはずだ。あなたは悪くない。切り替えていこう。それだけだ。
想像以上のパフォーマンスを披露したのは…
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先発した達は、ええピッチングしたで! 立ち上がり。驚くほど、緊張していた。ボールは珍しく棒球だった。ただ、それはモイネロも同じ。ファーストステージ3戦目で登板する可能性もあった達。一方、この試合にターゲットを絞り、調整してきたモイネロ。角度は違えど、互いに大きな重圧を背負っていた。
達。並の成長株だったなら、序盤で崩れていただろう。一回1死満塁でのゲッツーは実に大きかったのだが、本人の危機回避能力と踏ん張りは目を見張るモノがあった。2巡目ぐらいからはいつもの達がそこにいた。直球とフォークにナチュラルカット。「次の一本」を防ぎ、ホームを踏ませないという一番の結果を示した。首脳陣にとっても想像以上のパフォーマンスだっただろう。
顕著なプラス材料は達に斎藤、レイエス
敗れはした。ただ、アドバンテージがソフトバンクにある時点で、不利なのは当然のこと。ただ、1勝すれば流れは変わるし、面白くなる。敗戦の中で、光明が見えたことに価値を見いだしたい。1つ目は当然、達の好投。今後、もうつれたら、再登板もあるだろう。
そして抑えの斎藤。九回に登板し、先頭に四球を与えたものの、後続をしっかりと抑え込んだ。いい形で、今回のシリーズも入っていけた。2戦目以降も迷いなく、マウンドに送り出せる。打線はやはりレイエス。レギュラーシーズン、ファーストステージに続いて、その姿はめちゃめちゃ頼もしい。今後も「レイエスにつなげ」とシンプルに徹底できる。先を見ずに目の前の試合を取るだけ。全員野球でまずは1つ勝ってもらいたい。