玉井大翔 完全復活を印象付けた40試合登板 自分のことのように喜んだ武田久投手コーチの思いとは―
玉井の40試合登板を喜ぶ武田コーチ=撮影・松本奈央
26日の西武戦で1回無安打無失点
日本ハムの玉井大翔投手(33)が26日の西武戦(ベルーナドーム)で今季の登板数が節目の40試合に到達した。
昨季は腰痛の影響もあり、1軍登板ゼロ。開幕1軍こそ逃したが、4月末に昇格し、イニング途中の火消し、勝ちパターン、ビハインドでの登板とさまざまな場面を任されている。
26日の西武戦で七回に3番手登板した玉井
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「40」の価値を知る武田コーチ「貴重な戦力です」
道産子右腕の完全復活を自分のことのように喜んでいるのが、ブルペン担当の武田久投手コーチ(46)だ。
「うれしいですよね。(シーズン)始めからいたら50(試合)投げていたと思う。去年、1軍で投げられなかった悔しさもあっただろうし、(昨年)秋のキャンプから頑張って投げていた。もともと技術はあるし、貴重な戦力です。(役割の)範囲が広くて大変だと思うけど、どんな場面でも投げてくれる信頼感がある」
自信を持ってマウンドへ送り出す
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ブルペンで声がかかれば、10球以内の球数で肩をつくり、ささっと準備をする。
「こっちが指示を出した時に行動が早い。ある程度(試合展開を)、予測もしてくれるし、手がかからないです。いてくれたら、めっちゃ助かる。困ったら、ただガムシャラに投げることはない。だから送り出しやすい。打たれるにしてもちゃんと意図がある」

劇的勝利を導いたパーフェクトリリーフ
「基本的に波がない」のが持ち味の右腕だが、武田コーチには印象に残っている試合がある。最大7点差から逆転勝利を挙げた6月15日の広島戦(エスコン)だ。2点差に追い上げた直後の九回。マウンドに上がった玉井は、わずか9球で3者凡退に封じ込めた。
「アイツがパーンって投げて、抑えて流れを持ってきた」。その裏、同点に追い付き、チームは延長の末、サヨナラ勝ちを収めた。その日、背番号19に勝利、ホールドなどの記録は付かなかったが、試合の流れをぐっと引き寄せる投球だった。
まだまだ伸びる 「何年後かくらいに全盛期が来る」
中継ぎ投手は、まさに縁の下の力持ち。抑えて当たり前で、なかなか脚光を浴びないポジションでもある。プロ9年目の玉井は、全て救援で368試合に登板。現役時代、同じくリリーフ一筋で通算543試合を投げた武田コーチだからこそ、大きな期待を寄せる。自身は3度のセーブ王に輝き、17年に日本ハムを退団後、41歳まで社会人・日本通運で現役を続けた。今年6月に国内フリーエージェント権を取得し、33歳になった後輩右腕へ「まだまだできる」とハッパをかける。
「あと何年後かくらいに全盛期が来る。球速とかも、もうちょっと上げたいと話していたし、そう思っているのがいいですよね。常に話しているのは、シュート、カットとかのピッチャーだけど、おまえの一番いい球は真っすぐだからね、と。今、145キロでも、ベース板(の上)でしっかり強い球が来てれば、その軌道があって変化球が生きる。ベースになる球は真っすぐだよ。あとは球団に、年俸をしっかり上げてあげてね、と(笑)。頑張っている人には、いい契約を取ってほしいです」。武田コーチらしく愛情たっぷりにエールを送った。
