玉井大翔 奮投報われたエスコン初勝利 今季国内FA取得も秘めるファイターズ愛
七回を無失点に抑え、ベンチに戻る玉井=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ14回戦 楽天6-8日本ハム(7月6日、エスコンフィールド北海道)
3年ぶりの勝ち投手に
日本ハムの玉井大翔投手(33)が6日、エスコンフィールド北海道で行われた楽天戦の七回に救援し、1回無失点に抑えた。裏の攻撃でチームが勝ち越したため、2022年9月17日のロッテ戦(札幌ドーム)以来、およそ3年ぶりに勝ち投手となった。
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試合終了後、勝利のハイタッチを交わす玉井
「ゼロでいけて良かった」
任された1イニングを丁寧に抑えた。村林に右前打を許したが、後続は連続三振斬り。スライダーが効果的に決まり「ランナーを出しながらも粘って投げようと思っていました。田宮のセカンド送球(三振ゲッツー)にも助けられましたし、ゼロでいけて良かったです」と控えめに喜びをかみしめた。
タフな場面で辛抱強く投げ続け、久しぶりの白星という形で報われた。ただ、個人の記録や数字には無頓着。今回も勝ちは想定していなかったそうで「全然、意識していなかったですけど、考えてみたらエスコン初勝利。いい思い出になります」と照れくさそうに笑った。
鎌ケ谷のお好み焼き店が憩いの場 気心知れた先輩との談笑が…
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昨季は腰痛を発症。痛みが和らいでも状態が上がらず、最後まで2軍暮らしとなった。心は沈みがちだった。春先は同じく2軍で調整していた宮西と練習後に食事に出かけることが日課だった。憩いの場は鎌ケ谷市内のお好み焼き店だ。宮西は「ホンマに毎日、玉井とお好み焼きを食いに行っていた。くだらない話ばかり。マジメな話はほとんどしなかった」と振り返った。
気心知れた先輩と談笑する。それは、玉井にとって大切な時間だった。「お店のおばちゃんが『あら~』みたいな感じで迎えてくれて。おいしいですし、アットホームな感じでなんですよ」。心と体が癒やされ、前向きになれた。

国内FA権取得も選択肢はない
苦しい1年の試練を乗り越え、今年6月には国内FA権を取得した。オフを迎えてから考えを整理することになるが、根幹にファイターズ愛がある。「そもそも選択肢はないと思っていますので(笑)。北海道民だし、残れるのなら。選択肢があるとしても残れることが一番いい」と思いを秘めている。
今は目の前の戦いに全てを懸ける。好成績をマークしても気を緩めることは全くない。1軍に昇格した時点で、腹を決めていた。「先は見ずに1試合1試合。バテたら2軍(降格)のつもりで、行けるところまで。その気持ちで、最後までいきたい」。復活した右腕は背水の覚悟を持ったまま、シーズンラストまで突っ走る。
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