【リベンジの裏側】玉井大翔 心に響いた新庄監督の「やり返してこい」 盟友・加藤貴之との熱い絆も
4日の阪神戦、六回途中から登板した玉井=撮影・桜田史宏
4日の阪神戦で見せた「らしさ」の裏には…
日本ハムの玉井大翔投手(32)が4日、エスコンフィールド北海道で行われた阪神戦に登板。3日に決勝弾を浴びた大山と再戦し、空振り三振に斬った。
痛恨の一発から一夜、雪辱の機会が巡ってきた。3点リードの六回1死一塁。打者・大山の場面で、先発の加藤貴に代わって玉井がコールされた。
新庄監督の一言で闘魂注入
新庄監督が、直接マウンドへ。ボールを手渡し、声をかけてくれた。「ボスも『やり返してこい』と送り出してくれた。より気持ちが入りました。意気に感じて、絶対、抑えないといけないと思いましたね」
4日の阪神戦、六回途中、加藤貴(左端)から玉井(右端)に託した新庄監督=撮影・岩崎勝
リリーバーの難しさを再認識した1球
前夜は2球目のストレートを中越えへ運ばれていた。
「へこんだというか。自分の中で、もったいないやられ方だなと反省していた。中継ぎは1球で勝負が決まる。再認識させてもらった試合でしたね」。その思いがあっての〝再戦〟。初球から武器のシュートで内角を突き、最後はスライダーで空振り三振。続く糸原も中飛に仕留め、今季6ホールド目を挙げた。
先発左腕のためにも腕を振った
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仲間の思いも背負っていた。5月28日のソフトバンク戦に続き、先発・加藤貴の後を受けての登板だった。
「加藤としては、あそこで降りてしまうことはたぶん悔しいと思う。そこは顔に出さないで、本当はすごく悔しいと思うんですけど、ナイスピーと言ってくれた。そういうのはすごく、ありがたいです」
4日の阪神戦、六回を終え、ベンチに戻る玉井(右)を迎える加藤貴
ベテラン左腕にとっての〝カンフル剤〟
同学年の加藤貴とは、社会人・かずさマジック時代からのチームメート。オフには、古巣の球場で合同自主トレする仲だ。4月下旬に玉井が今季初昇格した際には、加藤貴のテンションが上がったとチーム内で話題になった。
「河野とかも(玉井が1軍に)来た瞬間、『加藤さんがイキイキし出したわ』と言っていましたね。僕は全然、分からないですけど、いつも通りのやりとりで、いつも通りすごく話しかけてきます。アイツも寂しかったのか~」
互いを信頼し、鼓舞し合う2人
自身は昨季、腰痛の影響でシーズンを棒に振った。復活を懸け、オフにサイド気味の投球フォームに変更。自主トレ中、助言を送ってくれたのが加藤貴だった。
そんな左腕は、今季3勝を挙げているが、なかなか長いイニングを投げられずにいる。「加藤も去年とかに比べると、早いイニングで代わったりして、つらい思いもあると思う。(シーズン)後半、力が必要になると思う。中継ぎとか、ほかの先発がきつくなってきた時に、完封とかしてくれると思う。それまで、つないでいけるように行きます」と玉井。10年以上の付き合いになる〝かとたま〟の絆は深い。
