士別翔雲が3季連続8強入り 代走から勝利呼んだ小林柊也 隙を見逃さない準備力【秋季全道大会】
八回1死三塁、中前適時打を放った士別翔雲の小林=撮影・東倫太朗
■秋季全道高校野球第3日(10月14日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
▽2回戦 士別翔雲10-4北広島

勝負所で代走の切り札が大きな仕事
俊足の仕事人が、決勝のホームを踏んだ。4-4の七回無死。士別翔雲の4番・吉松武外野手(2年)が安打で出塁すると、すかさず一塁コーチャーを務めていた小林柊也外野手(2年)が代走で送られた。
4番に代走を送る勝負の一手。渡邊雄介監督(43)は「次の1点が試合を左右する」と足の速い小林で1点を奪いに行った。
持ち味の走力で勝利に貢献した士別翔雲の小林=撮影・小葉松隆
小林は犠打で二進すると、2死後、2ストライクから相手の投球がショートバウンドになるとみるや、迷うことなくスタートを切って三塁を陥れた。そして、相手失策の間に勝ち越しの得点を記録。「自分は足が持ち味なので、1点をもぎ取る意識で行きました」。狙いがハマった渡邊監督も「ああいうので勝負が決まると言ってきて、やってくれたので非常にうれしかったです」。
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相手投手を観察しながら常に準備
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一塁コーチャーをやりながら、相手投手をじっくりと観察。いつ声が掛かってもいいように準備に余念はない。実際、七回にもその前から声を掛けられていたわけではなかったが「ベンチを見つつ、すぐに行けるようにしていた」。
50メートル走は6.4秒。小林以上に足の速いチームメートもいるが、走塁の技術はチーム屈指だ。「このチームはそんなに走塁が得意な人はいない。自分がどんどんいつでも行ける状態で準備してます」。日頃の練習や試合からスタートを強く意識し、素早い判断力を養っている。
来年は1桁背番号を
課題としている打撃でも、八回に中前適時打を放つなど、アピールにも成功した。今大会では主に代走の切り札としての役割を与えられているが、最終学年を迎える来年は〝代走屋〟で終わるわけにはいかない。「この秋は自分の与えられた役割をしっかりこなして、(来年の)春、夏では1桁(背番号)を狙っていきたいです」。レギュラー奪取を虎視眈々と狙っていく。
八回1死三塁、中前適時打を放った士別翔雲の小林(左)
因縁の相手と3度目の対戦
準々決勝ではベスト4を懸けて、白樺と戦う。今年の春、夏と道大会で黒星を喫している因縁の相手だ。渡邊監督は「3年生が悔しい思いをしてきた。まずは先輩たちに並んだので、超えてほしい」。
その思いを背に、小林も「足でいつでも出られるような準備をして、今回みたいな結果を出せるように頑張っていきたいです」。先輩の敵を討つためにも〝飛び道具〟として、入念に磨きを掛ける。
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