【プレーバック】秋季全道高校野球1回戦 帯広三条3-5士別翔雲(10月12日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)

七回に士別翔雲・森下が逆転三塁打
公立校対決となった開幕試合は、士別翔雲が七回に3点差をひっくり返し、道大会開幕戦での勝率100%を4試合連続に更新した。
帯広三条はエースで4番の安藤美壱(2年)が先発。士別翔雲は背番号18の1年生・鈴木泰雅が公式戦初先発した。
試合が動いたのは二回。1死から5番・横井豊樹中堅手(2年)が中前にチーム初安打。後続が内野ゴロで得点圏に走者を進めると、7番・小林優生一塁手(2年)が三遊間を破り、二走が一気に生還。主導権を握った。
帯広三条は四回、先頭の3番・山田源大二塁手(2年)の左前打と2四死球などで2死満塁。ここで8番・湯浅導大捕手(1年)の一塁方向への打球が大きく跳ねる内野安打。送球ミスも重なり、2点を追加。3-0とリードを広げた。
五回まで1四球のみで無安打に抑え込まれていた士別翔雲打線は六回、四球と盗塁などで2死二塁。ここで1番・熊田崇一郎遊撃手(2年)がチーム初安打で2死一、三塁と好機を広げたが、後続が倒れて得点とはならなかった。
終盤の七回、士別翔雲打線は、代わったばかりの帯広三条・小池涼真投手(1年)に襲いかかった。先頭の3番・細川皓生捕手(2年)が右中間へ安打を放つと、連続安打で無死一、二塁。続く5番・三浦陽昇一塁手(2年)の犠打は捕邪飛となり走者を進めることができなかったが、6番・澤谷悠翔中堅手(1年)の中前適時打で1点を返すと、四球をはさみ、8番・森下一颯三塁手(1年)が左中間を深々と破る走者一掃の逆転三塁打を放った。
帯広三条は八回に2死一、三塁まで攻め立てたが、決定打が出ず、逆にその裏は士別翔雲にダメ押しの1点を奪われ、12年ぶりの秋の全道初戦突破は果たせなかった。
■開幕戦で勝利した士別翔雲の渡邊雄介監督(43)
「よく頑張りましたね。新しい士別翔雲の強さを見せようと言ってきた。投手陣で、バッテリーで勝とうと言ったので、その通りになったかな。みんな束になって戦うっていう良さがある」
■七回に適時打、八回にもダメ押し打を放った士別翔雲・澤谷悠翔中堅手(1年)
「『最後に勝つのは翔雲』をスローガンにやってきた。打席が回ってきたときに、しっかりと打ってやると振り切ることができた。きょうみたいな雰囲気でいって、2回戦も勝って良い流れで3回戦へ進みたい」
■敗れた帯広三条の佐藤竣介監督(31)
「想定していなかった展開でした。シンプルに監督の(選手交代の)タイミングが悪かった。選手には申し訳ない気持ちでいっぱいです。まだ秋なので、来春、夏へ向かって成長できる糧にしてくれないと先輩たちにも申し訳ない」
■先発して六回まで無失点と好投していた帯広三条の安藤美壱投手(2年)
「前半はカーブでカウントを取れてテンポ良く投げられていて、フォーク、チェンジアップでも空振りが取れて良かった。いかに良いボールを投げて、次の投手にも自信を持って投げさせられるように、頑張っていきたい」