白樺・後藤健 1年生の〝ゲームキャプテン〟が挑む全道制覇【秋季全道公式練習】
守備練習をする白樺の後藤=撮影・十島功
■秋季全道高校野球公式練習2日目(10月11日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
チームの司令塔として、全道の頂点に導く―。野手が1年生主体の白樺の中でも、後藤健(たける)内野手(1年)の存在感はピカイチだ。入学直後の春季大会から背番号4を付けていた後藤が、この秋からは遊撃手としてチームの中心を担う。
初めてのプレド 人工芝の影響を警戒
大和ハウスプレミストドームのグラウンドに、初めて足を踏み入れた。「観客が入ったり、吹奏楽部の応援とかあって、そういう雰囲気は初戦までつかめない。シートノックなりでつかんでいけば、試合に入り込んでいける」。そして「結構差される」。人工芝による球足の速さも、遊撃手として懸念すべきところの一つだった。
【#高校野球 関連ニュース一覧】
守備のほころびは勝敗に直結する。亀田直紀監督(38)も「初めてやる子たちが多いので」と守備練習に時間の大半を費やした。同学年の菊島有佑内野手が主将に就任し、新チームは下級生が引っ張る形となった。グラウンド外などで菊島主将が部員をまとめる一方で、後藤は〝ゲームキャプテン〟を務めるつもりだ。
守備練習で人工芝の感覚を確かめる白樺の後藤
菊島主将との役割分担は明確
「菊島はチーム全体を見て動かしたり、グラウンドの中以外のことをやっていて、自分がゲームの中で指示を出したりとか、試合の中でのキャプテンという感じでやってます」。この公式練習でも、下級生ながら堂々と指示を出す姿に、若きリーダーの風格が漂う。
一方で難しさを感じている点は―
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
ただ、上級生へ指示を出す難しさなども感じている。「下から先輩たちに強く言うこともやっていかないといけない。1年生として大変だったので、そういう部分でもっと成長していかないと、と感じています」。この壁を越えた時、後藤は確実に一回り大きくなる。
1年生主将を置くのは亀田監督も就任後初めてだが、思い切って経験値のある後藤と菊島をチームの中心に据えた。「彼(後藤)が野球の方を見ている形で、菊島は全体を見て、しっかり厳しく言えるタイプ。ちょっと立場の違う2人がバランス良くやってくれてます」。1年生のダブルキャプテンで、大きな化学変化が起こることに期待を寄せる。

二塁手から遊撃手になり経験が力に
ポジションも内野の要に移った。春、夏までは二塁手だったが「いろんな視点から見られた。こういうバッターはどっちに行くとか、指示を出せるので、そういう経験が今ショートになって、チームを引っ張っていく上で必要なものになった」。
今夏は北北海道大会決勝まで進出したものの、1点差で甲子園を逃した。「決勝は独特の雰囲気があって、そんな簡単に甲子園に行けるものじゃないなと改めて感じました」。1年生ながら、緊迫した舞台を経験。次に見据えるは全道の頂だ。
【2000円お得! 道スポの年払いプラン】
「夏は3年生にいいところまで連れていってもらったので、やっぱり恩返しをしないといけない。3年生のために全道優勝して、自分のこれからの野球人生につなげていきたい」。この全道大会、プレーだけではなく中心選手としての姿勢も見せる。
守備練習をする白樺の後藤(左)