【西川薫】センバツ目指して12日から秋季全道開幕 激戦の21世紀枠候補争いはいかに―
全道大会に公立高校が8校出場
10月12日から札幌・大和ハウスプレミストドームで秋季全道高校野球が開幕します。今大会には初出場の紋別など公立校が4年ぶりに8校出場(北広島、帯広三条、士別翔雲、滝川西、苫小牧東、紋別、釧路湖陵、旭川東)。もちろん出場校の選手たち全てが優勝を目指して戦いに挑むのは承知していますが、個人的には優勝の行方と同じくらい、21世紀枠候補争いにも注目しています。
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道内の高校が選ばれるためには
まずは21世紀枠候補の選考基準をおさらいしておきましょう。昨春から枠が3校から2校に削減になりました。第1の選考基準は、出場する高校が128校を上回る都道府県ではベスト32以内。北海道は参加チーム157で全道大会は出場20校なので、8校ともすでにクリアしています。第2がハンデを乗り越えて活動している高校。また、学業と部活動の両立の実践や、一定の成績を残しながらもあと一歩で甲子園を逃している、また地域とのつながりの深さなどが考慮されるといいます。
過去の甲子園出場校
2001年大会から始まった21世紀枠制度ですが、過去に北海道からは02年の鵡川、12年の女満別、13年の遠軽、20年の帯広農業(コロナ禍で大会は中止)、24年の別海と公立5校が選ばれ、鵡川と遠軽が1勝を挙げています。また、秋季全道に出場する公立8校の中で、南北大会優勝やセンバツ一般選考で甲子園出場を果たしているのは、春夏5度の苫小牧東、同4度の滝川西、夏5度の帯広三条の3校。残りの5校は春夏通じて甲子園には未出場です。そして過去に21世紀枠候補に選ばれたことがあるのは18年に4強入りした釧路湖陵のみです。

8校のこれまでの戦いと注目カード
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それでは今月2日に決まった組み合わせと支部大会の結果を元に、8つの公立出場校を紹介しましょう。まずは左のゾーンから。12日の開幕試合で、帯広三条(11年ぶり18度目)と士別翔雲(2年連続4度目)の公立校対決となりました。帯広三条は、夏の十勝支部1回戦で北大会準優勝の白樺に3-4で惜敗しましたが、新チームは夏を経験しているエース安藤美壱投手(2年)が2試合連続の先発。特に帯広農業との代表決定戦では9回1失点の好投で、代表切符をつかみ取りました。士別翔雲は今夏、下級生主体で北北海道大会2年ぶり2度目の4強入り。秋は2試合連続2桁得点を強力打線がマークしました。名寄支部悲願の初聖地へ挑戦します。
必ずベスト8入りする激アツゾーンも
13日の第2試合から2回戦に突入。空知支部代表決定戦でクラークを撃破した滝川西(4年ぶり24度目)が、北大会準優勝メンバーが残る白樺と対戦。同日第3試合では、苫小牧東(28年ぶり13度目)が立命館慶祥と対戦します。そして14日の2回戦では、帯広三条と士別翔雲の勝者と、激戦区の札幌支部で3試合連続の先制逃げ切りで勝ち上がった北広島(8年ぶり2度目)が激突します。北広島は数年前にはエースが京都大学に進学するなど学業のレベルも高く、野球部は3年前から隣接するエスコンフィールド北海道で行われる南・北北海道大会準決勝と決勝(北大会の24年は旭川開催)で来場者の案内を行うなど、地域と密着した取り組みを行っています。そしてこの公立3校のいずれかが、必ず8強に進出することが決まっている、激アツのゾーンです。
強豪校と対戦する進学校の旭川東
右ゾーンでは、13日の第1試合で、1年生エース・後藤優弥投手を中心に、旭川支部4試合合計27イニング1失点の堅守で勝ち上がった地域随一の進学校・旭川東(10年ぶり5度目)が、今春の選抜甲子園出場の東海大札幌高に挑みます。これまでに秋の全道準優勝1度、夏の北大会準優勝10度の伝統校が、総力戦で初戦突破を目指します。
右ゾーンの激アツ対決は14日の2回戦。北大会メンバー20人中16人が残る経験豊富な紋別(初)と、21世紀枠候補入りした以来となる釧路湖陵(7年ぶり15度目)が対戦。こちらも勝者が8強に駒を進めます。近年は3年連続で北北海道エリアからの21世紀枠候補選出が続いていますが、今年はどうなるか。快進撃必死の公立校の戦いは見逃せません。
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