白樺が惜敗で連覇逃す チーム立て直した上一颯主将「本当にありがとうと伝えたい」【北北海道大会】
決勝で敗れ、悔しがる白樺の選手たち=撮影・小川泰弘
■全国高校野球選手権北北海道大会最終日(7月22日、エスコンフィールド北海道)
▽決勝 白樺3-4旭川志峯

あと一本が遠く…残塁は「16」に
連覇の夢、あと一歩届かず―。九回2死一塁、白樺の1番・上一颯(いっさ)主将が放った打球は一塁手のミットに収まり、白樺ナインの夏は幕を閉じた。
序盤から塁上はにぎわせていたが、残塁「16」を数えたように、チャンスでの一本がなかなか出なかった。2点を追う八回には1死満塁としたが、三回に適時打を放っていた5番・大西遥斗捕手(3年)が二ゴロ併殺打に倒れ、無得点に終わってしまった。「八回の攻撃が全て」。亀田直紀監督(38)は絶好機で得点できなかったことに唇をかんだ。
白樺の先発・神谷=撮影・松本奈央
投手陣は神谷春空(はるく)投手(3年)、冨澤悠斗外野手(3年)を継投しながら4失点でしのいでいた。しかし、それ以上に7四死球与えるなど、3者凡退のイニングは一度もなく、守備から攻撃のリズムをつくることができなかった。それでも、指揮官は最後まで戦い抜いた選手をたたえた。「連覇のプレッシャーが掛かって、地区予選から来ましたので、よくここまで来られたと思います」。
連覇への重圧 「弱いチーム」と言い聞かせ1日5000スイングも
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この決勝の舞台に立つまで、苦難の道のりを歩んできた。どん底も経験した。昨夏は甲子園に出場したが、甲子園後にスタートした新チームは昨秋、十勝支部予選で敗退。主将も大西から上に代わるなど、再構築を余儀なくされた。上主将は「支部で負けた弱いチームと言い聞かせてきた」。冬の強化期間では今まで以上にバットを振り込んだ。早朝6時前から振り込み始め、1日500~1000スイングはざらで、最大5000スイングを振った日もあった。「自分たちがきつい練習をした自信はあった」(上主将)。
仲間がいたから3年間やりきれた
しかし、結果は無情なものとなってしまった。「得点圏にはランナーをずっと置いていたと思うので、あと1本が本当に出ないまま、最後まで行ってしまった。守備でも相手の流れでズルズル行ってしまったというところが敗因だと思います」。キャプテンとして、現実をしっかりと受け止めながら、試合を振り返った。そして、仲間に感謝した。「本当にこの仲間がいなかったら、3年間やりきれるかどうかも分からない状況で、最後は自分の打ち損じで終わってしまったのが申し訳ないんですけど、本当にありがとうと伝えたいと思います」。
試合終了後、泣き崩れる白樺学園の選手達
1点の重さ
甲子園で勝ち抜く夢は後輩に託す。上主将は「自分たちみたいに決勝で負けてしまったら意味がない。甲子園で勝つためにずっとやってきたので、悔しいですけど、後輩たちに行ってもらうしかない」。練習に参加することも視野に入れながら、新チームのスタートを後押しするつもりだ。3年生が多数を占めたチームの思いは、確実に後輩たちへと引き継がれる。亀田監督は「また一からという形になると思うんですけど、この1点差で負けたところが近いのか、遠いのか。それを見つける1年間にしていきたいです」。来年の夏、新たな白樺が頂点を奪い返す。
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