駒大苫小牧が2年連続8強 1番・坂本唯斗が4打点 難敵撃ちへ「1球必勝」【秋季全道大会】
七回1死満塁、走者一掃の3点三塁打を放つ駒大苫小牧の坂本(左)=撮影・東倫太朗
■秋季全道高校野球第3日(10月14日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
▽2回戦 函大有斗2-6駒大苫小牧

シャープな打撃で支部予選は打率5割
好調なリードオフマンが、チャンスで輝いた。七回1死満塁から、駒大苫小牧の坂本唯斗内野手(2年)が走者一掃となる右中間への3点三塁打を放ち、勝利を決定付けた。
バットを常に拳1個分は短く持つシャープな打撃で、支部予選は打率5割を記録。坂本は「自分は力がないので、長打は狙わない。粘って粘って四球で出るとか、そういう嫌らしい攻撃スタイルが持ち味です」。その中での適時三塁打に、佐々木孝介監督(38)も「ちょっと(適時打が)出づらい感じの雰囲気で、よく打ってくれたと思います」。
七回1死満塁、走者一掃の3点三塁打を放った駒大苫小牧の坂本(右)
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どんなときも後ろにつなぐ意識
どんな場面でも、自分の身の丈に合った打撃を心掛ける。その姿勢はこの試合でも表れた。1-0の五回。相手投手を打ちあぐねていた駒大苫小牧打線だが、安打と四球などで1死二、三塁の好機をつくると、坂本に打席が巡ってきた。ただ、この絶好機でも欲を出すことはなかった。
「チャンスの時は自分が決めようとするんじゃなくて、四球でも何でもいいから、後ろにつないでいく意識で打席に立ちました」
三振は厳禁の場面。2球で2ストライクと追い込まれたが、その後、冷静にボールを見極めながら5球目で二塁へのゴロを転がし、三走をホームに迎え入れた。この日は、七回の3点打と合わせて4打点をマーク。いつもはチャンスメークに回る坂本がクラッチヒッターと化した。
兄のいた函館大有斗ではなく駒苫に 佐々木監督の現役時代にも憧れ
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相手の函大有斗は少しばかり因縁のある相手だった。七飯町出身の坂本は高校進学の際に道南の強豪・函大有斗と駒大苫小牧で進路を迷っていた。「佐々木監督やスタッフの下で野球をしてみたい」。そう心は傾いていたが、函大有斗野球部OBの兄・陸斗さんにも相談。陸斗さんが「自分の行きたいところに行って、やるならレギュラーを獲って甲子園に行け」と背中を押してくれたこともあり、駒大苫小牧へ進むことを決めた。
そんな坂本は、現役時代の佐々木監督の打撃に憧れを抱いている。「きれいで芸術的。流し打ちもうまいので、本当に尊敬します」。甲子園での安打集を動画で見るなど、同じ左打者として手本とする打撃だ。
2004年8月21日夏の甲子園、駒大苫小牧の東海大甲府戦の三回、逆転打を放つ現役時代の佐々木監督
練習からリーダーシップ
今夏も2年生ながら川口奨真内野手(2年)と二遊間を組んでいただけに、リーダーの自覚は十分にある。「キャプテンばっかりに頼っていると、キャプテンも大変。そこは自分たちが試合でも練習でも引っ張っていく」。
次戦は北照と北海の勝者と対戦することになる。特に北海には昨秋、今夏ともに敗れた。「大事な場面でエラーをしない。バッティングでも確実にバントを決めてくる」。勝負どころのプレーに、ライバルとの差を痛感した。佐々木監督が常々言う「一球必勝」。目の前の1球にこだわり、難敵に立ち向かっていく。
七回1死満塁、走者一掃の3点三塁打を放つ駒大苫小牧の坂本=撮影・小葉松隆
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