高校野球
2025/10/13 12:30 NEW

【プレーバック】秋季全道高校野球1回戦 旭川東1-4東海大札幌(10月13日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)

終盤の競り合いを制した東海大札幌高=撮影・西川薫

東海大札幌高が終盤に勝ち越し

 10年ぶり出場の旭川東は、この秋からエースナンバーを背負った最速138キロの1年生サウスポー・後藤優弥投手(1年)が先発。今春の選抜甲子園出場の東海大札幌高は、札幌支部でエースナンバーを付けていた背番号2の熊谷柊吾投手(2年)がマウンドに上がった。

 先に仕掛けたのは東海大札幌高。一回1死から2番・武田龍士三塁手(2年)が、右前にチーム初安打を放つと、すかさず盗塁。1死二塁に好機を広げたが、後続が倒れて先制点はならなかった。

 旭川東も三回に積極的な走塁を見せた。1死から9番・西中壮亮二塁手(1年)が左前打で塁に出ると、犠打で2死二塁。続く2番・中山秀志一塁手(1年)の二塁内野安打の場面で、二走・西中が一気に本塁を狙ったが、東海大札幌高の柏木鷹空二塁手(1年)の正確な送球で本塁憤死。序盤の主導権争いは互角の展開を見せた。

 均衡が破れたのは四回。東海大札幌高は、2死から4番・中野翔太一塁手(2年)が右前打で出塁すると、5番・鈴木幹汰外野手(2年)が三塁線を破る適時二塁打で、のどから手が出るほど欲しかった先制点を奪った。

 東海大札幌高は六回から2番手・玉木悠翔投手(1年)をマウンドへ送ると、旭川東はその立ち上がりを攻めた。先頭の1番・以後瑛太遊撃手(2年)が四球を選び、初めて無死から走者を出すことに成功した。続く2番・中山が犠打。1死二塁と得点圏に走者を進めたが、後続が三振、中飛に倒れ、本塁が遠かった。

 追加点を奪いたい東海大札幌高は六回、先頭の2番・武田がこの日2本目の安打で出塁すると、中堅手の一塁への送球が逸れてニ進。四球と盗塁などで2死二、三塁まで好機を広げたが、最後は旭川東の後藤に三振に打ち取られた。

 旭川東のラッキーセブンの攻撃は、その後藤が先頭で右翼線へ二塁打。四球と相手失策もあり、1死満塁の絶好機を迎えた。ここで9番・西中が投前にスクイズ成功。相手投手が一塁へ送球する間に、二走も一気に本塁を狙ったが一塁からの好送球に逆転はならず。好守備に防がれはしたものの、試合を振り出しに戻すことに成功した。

 東海大札幌高は直後の八回、先頭の2番・武田が右中間を破る二塁打で出塁すると、途中出場の3番・鮎川颯中堅手(1年)のバントヒットと盗塁で無死二、三塁。ここで4番・中野が中越えの2点三塁打を放ち、勝ち越しに成功した。さらに攻撃の手は緩めず、2死三塁からは代打・森下一誠(2年)がダメ押しの適時打を放ってリードを3点に広げた。

 旭川東は先発の後藤が8回10安打4失点、10奪三振と最後まで投げ抜いたが、打線が八回以降、3人ずつで終わり、72年ぶりの秋の全道1勝には届かなかった。


■東海大札幌高の遠藤愛義監督(41)
「(旭川東の後藤投手は)ストレートが非常に見た目以上に、スピード表示以上に手元で(伸びて)来ているので、できる限り変化球を狙っていこうという話はしていたけど、中野が最後(八回に)狙ったボールをしっかりと振ってくれた結果」

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