センバツ出場校の東海大札幌高が支部予選敗退 失われた粘り強さ【南大会札幌】
支部予選敗退となった東海大札幌高の遠藤監督(右)がナインに声を掛ける=撮影・十島功
■全国高校野球選手権南北海道大会札幌支部予選(6月30日、札幌円山ほか)
▽Dブロック代表決定戦 北星大付4-3東海大札幌高
〝魔物〟が顔を出した
優勝候補の一角、東海大札幌高が早くも姿を消した。二回に山口聖夏(せな)主将(3年)の2点三塁打で幸先よく先制したが、潮目が変わったのは四回の守備だった。
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朝からパラついていた雨が一気に強まると、守っている投手、野手共に影響を及ぼした。先発・矢吹太寛(たお)投手(3年)が先頭打者に四球を与えると、その後は2つの悪送球が絡んで一気に逆転を許した。遠藤愛義(なるよし)監督(40)もツキのなさに唇をかんだ。「(悪天候は)お互い様。ちょっと思うのはうちが守っている回に一番雨が降っていて、あそこの対応がちょっと遅れてしまった」。一発勝負の高校野球。いわゆる〝魔物〟が顔を出した瞬間だった。
雨の中で力投する東海大札幌高の先発・矢吹
高橋が決め球フォーク逸らし決勝点
その後、六回にスクイズで追いつくなど、センバツ出場校としての粘りも見せたが、九回に2番手・高橋英汰投手(3年)の暴投で決勝点を許した。高橋の決め球・フォークを逸らす結果となったが、遠藤監督は「高橋の一番いいフォークを投げて、結果はしょうがない。彼の自信のあるボールでいったので、僕は後悔はないです」。
甲子園終了後からチームの歯車に…
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振り返れば、センバツ終了後からチームの歯車にきしみが生じていた。練習試合で負けることが多くなり、春季大会は札幌支部予選でとわの森に黒星を喫すると、センバツ枠で出場した全道大会も北海に敗れた。どこからか狂いが生じたのか、昨秋は接戦を制していたチームが、競り負けるようになっていた。
遠藤監督も「(昨年の)秋はこういったゲームをモノにして勝ち上がってきたチームだった。センバツはうまく回って点が取れていたことを再確認したのがこの春だった」。28日の準決勝では苦しみながらも札幌藻岩に2-1で勝つなど、粘り強さは戻ってきたが、少し遅かった。「きょうも追いついて、あと一歩。僕のできることは言葉掛けしかないんですけど『もっと何かできたかな?』というのは反省です」(遠藤監督)。
二回、先制の2点三塁打を放ち、ガッツポーズする東海大札幌高の山口主将(中央)
最高の仲間に出会えた
この試合、適時三塁打を含む3長打で打線をけん引した主将の山口は「目標としていた夏の聖地が途絶えて『もう終わりか…』という感じです」。当然、南大会を制することだけを考えていただけに、予想よりも早く高校野球を終えることになった。「高校入学時から、この縦縞で試合に出るという目標で来た。甲子園に出られたらもっと良かったんですけど、最高の仲間に会えたので、すごい良かったなと思います」。涙の跡はあったが、キャプテンは最後にスッキリした表情を見せた。
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