東海大札幌高の左腕・加藤奏来が超スローボール3球 14年夏の西嶋亮太さんほうふつ【春季札幌支部】
公式戦初登板で超スローボールを3球続けた東海大札幌高の加藤(左)=撮影・西川薫
■春季全道高校野球札幌支部(5月14日、札幌円山)
▽Aブロック2回戦 札幌龍谷5-12東海大札幌高※八回コールドゲーム
※八回コールドゲーム
大胆投球で3回1失点
今春のセンバツ甲子園出場校の東海大札幌高は、新戦力など15人を投入して八回コールドゲームで準決勝に駒を進めた。公式戦初登板の左腕・加藤奏来(そら)投手(2年)が3回1失点。二回には超スローボールを3連投するなど、大胆な投球で最少失点に抑えた。
【2000円お得! 道スポの年払いプラン】
二回1死。札幌龍谷の打者に投じた1球目は大きな弧を描き、打者の空振りを誘った。続く2球目は見逃しストライク。マウンドの加藤は「1球目を空振ってくれて、2球目もいい反応してくれたので、次は多分真っすぐに張るかなと思って」と、3球目もスローボールで一ゴロに仕留めた。「目線をぶらすとか緩急をつける意味で。自分はコントロールが良いと思っているので使いました」。2014年夏の甲子園で元日本ハムのダルビッシュ有さん(38)が論争に加わるなど、社会現象を起こした同校OBの西嶋亮太さん(29)の超スローカーブをほうふつとさせた。
2014年夏の甲子園で超遅球を投げる東海大四(当時)の西嶋さん(左)
室内練習場には西嶋さんのコマ送り写真が
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
それもそのはず。室内練習場の建物内には、西嶋さんが甲子園で投げたコマ送り写真が飾ってあるといい「ちょっとだけ意識はしてます」と、普段の練習から取り組んできた。それでも公式戦初登板のマウンドで、しかも3球続けて投げ込むマウンド度胸は満点。後続に打ち込まれ1点を失ったが「リリースがあまり定まらなくて、結構苦戦した部分あるんですけど、周りの守備が助けてくれたので、楽に投げれました」と無失策のバックに感謝した。
指揮官は制球力を評価 先発抜擢の意図は…
遠藤愛義監督(40)は今春のセンバツ甲子園に、矢吹太寛投手(3年)、高橋英汰投手(3年)のダブルエースで挑んだが、新戦力の台頭を望み、先発の加藤ら4人の経験の少ない投手を実戦で試した。加藤の先発抜擢には「非常にコントロールがいいピッチャー。緩いボールも使って、緩急が使える。相手の打線、左バッターが中軸にいたので、そこにうまく投げてくれるんじゃないかと思い先発に選びました」。3回1失点の投球内容に「しっかりゲーム作ってくれた」と、公式戦デビューの2年生左腕に合格点を与えた。
まだまだ伸び盛り。この日、最速を2キロ更新する128キロをマーク。「きょうでだいぶ円山も慣れたので、次回からもっといいピッチングができるように頑張っていきたい。きょうはボールが先行したので、ストライクをどんどん投げ込めるピッチングをしたい」。150キロが出なくても、約60キロの遅球との緩急差があれば、十分戦える。確かな自信をつかんだ初マウンドだった。
