高校野球
2024/05/07 08:00

【プロになった道産子球児たち 指導者の目線】高校編 ⑤東海大札幌高・大脇英徳監督「寅威は人の懐に入り込むのが上手」

東海大札幌高の大脇英徳監督=撮影・西川薫

 北海道から誕生したプロ野球選手の学生時代を見てきた指導者に話を聞く企画「プロになった道産子球児たち 指導者の目線」。高校編第5回は、東海大札幌高の大脇英徳監督(48)。2003年秋の監督就任後、昨季から日本ハムでプレーする、千歳市出身の伏見寅威捕手(33)ら5人のプロ野球選手を輩出。今季も4人が現役として奮闘している。

札幌ドーム観戦 お目当ては教え子の勇姿

 3月2日のオープン戦、日本ハム-阪神が行われた札幌ドームの一塁側スタンドに大脇監督の姿があった。お目当ては、教え子で日高町出身のプロ2年目、阪神・門別啓人投手(19)と、札幌出身の日本ハム今川優馬外野手(27)、伏見捕手の3人。伏見捕手の出番はなかったが、今川は四回の第2打席で、門別から中堅フェンス直撃の二塁打。門別の降板後も試合は最後まで見守った。

捕手出身の指揮官も一目置くリーダーシップ

 伏見捕手は東海大札幌高では3年春に主将で主砲として強力なキャプテンシーを発揮して全道制覇、夏の南北海道大会では4強に進出した。入学時の第一印象は「明るいし、もうキャッチャーですよね。リーダーシップ、コミュニケーション能力の高さはすごかった」と捕手出身の指揮官も一目置く存在だった。

伏見が東海大四2年秋の札幌支部2回戦、北海道尚志学園戦。4回表、二死一塁からレフトスタンドに2ランを叩き込む

 

 伏見の1学年先輩には、現在エスコンフィールド北海道「タワー11(イレブン)」のホテル運営を担う舘林真一さん(34)という正捕手がいたが、2年春から伏見がマスクをかぶった。「舘林が本当はキャッチャーだったんですよ。館林は負けん気が強くてガツガツやるんですけど、その先輩捕手を『舘林さ~ん』て包み込むような感じで競っていた。先輩にもかわいがられる、学校でもかわいがられる、人の懐に入り込むのが上手な性格だった」と振り返る。昨年、地元の日本ハムに移籍。「月曜の移動日の時とか、寮のおばさんに会いに来てます。おじさんは亡くなったんですけど。グラウンドには1、2回ですが、寮はちょいちょい来ているようです」と、お世話になった方への気配りも忘れない。

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