進学校ながら昨夏の北北海道大会で決勝進出

　米大リーグ、マリナーズなどで活躍したイチローさん（５０）＝本名鈴木一朗＝が４、５日の２日間、北海道・旭川東高で野球部を臨時指導した。進学校でもある同校は、昨夏の北北海道大会で決勝まで勝ち上がるなど、過去に何度も地方大会で上位に進出しながら甲子園出場経験はない。「ちょっとでもきっかけになれたら」と悲願達成を後押しするため訪問した。

「冬の間でめちゃくちゃ変わるよ」

　気温１０度前後の寒空の下、ウオーミングアップの段階からさっそく走り方などを教え込んだ。自らバットを持つと「小学生の頃からやっている練習」と速いトスと遅いトスを織り交ぜたティー打撃を紹介。フリー打撃では右翼防球ネット奥の４階建て校舎屋上へ何度も放り込んで喝采を浴び「５０歳でもやり続ければ飛距離が伸びている。みんなは吸収力が半端じゃないから、冬の間でめちゃくちゃ変わるよ」と笑顔を見せた。

事前に訪問を告知したことで質問攻めに

　イチローさんは２０１９年３月に引退。高校生の指導は２０２０年から４年連続で、今回が７校目となる。従来のサプライズではなく、今回は事前に部員へ訪問を告知。練習中はひっきりなしに助言を求められ「過去の高校生と比べて質問の数が断トツ。これだけいろいろな質問できるってすごい」と驚いていた。

　西中剛志監督は「何事にも代えがたい２日間」と感無量の様子。臼井颯汰主将は「新たな発見が多かったので、今後に生かせたら」と感謝した。