高校野球
接戦を制した北海 最速147キロの1年生右腕・森健成が好救援 自身が語る甲子園からの変化【秋季全道大会】

■秋季全道高校野球第1日(10月12日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
▽1回戦 札幌大谷2-3北海
七回途中から突然の救援も
打席途中での継投だった。1点リードの七回1死三塁。相手打者のカウントが1-2となったところで、北海の平川敦監督(54)は先発の小野悠真主将(2年)から、最速147キロ右腕の森健成投手(1年)にスイッチした。
「いきなりの展開だったので、気持ちのつくり方が難しかったです」。1年生右腕はそう振り返ったが、直球は走っていた。投じた初球で146キロを計測すると、最後は変化球を投じて相手のバットに空を切らせた。
続く打者には右翼への同点適時打を浴びたが、気持ちはしっかりと切り替わっていた。140キロ超の直球でどんどん押し込み、札幌大谷打線を封じ込めた。「真っすぐの走りが一番良かったので、しっかり自分のピッチングができたかなと思います」。
支部予選はけが明けで登板し全道へ
9月中旬、アップ中に左足を捻挫するアクシデントに見舞われた。投球再開は2週間ほど前で、支部予選はけが明けで臨むことを余儀なくされた。支部準決勝の北海道科学大高戦では2番手投手で4回1失点にまとめたが「探り探りだったので、あんまり自分のピッチングができなかった。『全道で』というのは意識してました」。この日は胸の内に闘志を燃やし、強敵相手に2回⅔無失点。自らに課した〝リベンジ〟を見事に果たした。
夏の甲子園では1年生で先発

今夏の甲子園、1回戦の東海大熊本星翔戦で先発を託され、3回2失点。そして、自己最速を一気に3キロも更新する147キロをたたき出した。だが、試合後に「来年のセンバツで150キロを出したい」と話すなど、数字の〝魔力〟に引き寄せられていたのも事実だ。甲子園から帰る直前、平川監督に呼ばれて20分ほどマンツーマンで話し込んだ。