長谷川竜也が高めるコミュニケーションの質「自分自身が先頭を切って…」
紅白戦で9月20日・徳島戦以来の実戦出場を果たしたMF長谷川。右内転筋の痛みは癒え、残り6戦でのフル回転を誓った=撮影・宮西 雄太郎
■10月12日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は12日、札幌市内で紅白戦(35分×2本)を実施した。9月20日の徳島戦で右内転筋を痛めたMF長谷川竜也(31)は、実戦復帰して約45分間プレーし、強烈なシュートを放つなど存在感を示した。攻守にチームを活気づける背番号16は、第33節・富山戦(19日、富山)の戦列復帰に照準を定め、勝利への貢献を誓った。
【コンサドーレ 関連ニュース一覧】
切れ味鋭いプレーは、一切のブランクを感じさせない。約3週間ぶりの実戦を終え「今週も激しいトレーニングができて、疲れがある中でのゲームでしたけど(パフォーマンスは)悪くなかったと思います。走る、切り替える、プレスを掛ける。攻撃の部分でも動く、止まるという自分が得意とするところを確認できました」と、心地よさそうに汗を拭った。

優れた戦術眼と知性が、苦境打開の鍵を握る。攻撃の違いを生むチャンスメーカーは、守りでも札幌に欠かせぬ存在だ。右シャドーで出場したこの試合も、長谷川の動き出しがプレス発動の合図となった。
守備の〝トリガー〟となるベテラン 柴田監督「ここは他の人と…」
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
精力的なランニングと的確なコーチングでチームを引っ張るベテランに、指揮官は絶大な信頼を寄せる。負傷明けのコンディションを確認した柴田監督は「彼はチームを整える役、守備の〝トリガー〟になってくれる。ここは他の人とだいぶレベルの差があります。前の選手が守備をして、後ろの選手が攻撃をすることで、攻守に攻撃的なサッカーができる」と、独特の言い回しで戦列復帰を歓迎した。

細部へのこだわりが、札幌のフットボールを前に進める。自らが不在だった仙台戦と山形戦をピッチ外で見届けた長谷川は「もう少しコミュニケーションの質を高めていかないといけない」と連敗の一因を分析する。
「一人の選手に対して2人が同時にプレスへ行ったり、同じ選手を2人で見てしまう状況を極力なくすことで無駄が省ける。1、2歩の遅れでプレスが掛からないとなれば、相手はより良い状態で蹴ることができる。そこにこだわるためにも、しっかりコミュニケーションを取って役割を明確にする必要がある。(富山戦は)自分自身が先頭を切ってプレスの最後の一歩を寄せたいし、それができる準備をします」
残り6試合で、PO圏内の6位・大宮との勝ち点差は10。崖っぷちの状況に立たされても、プロフェッショナルを貫く男は可能性を信じ抜く。

「とにかく気持ちの部分です。もちろんPOに出場して昇格することを目指すけど、それ以前に僕たちは何のためにサッカーをやっているのかを考えないといけない。僕らがサッカーをする姿を見た方々が、どんな良い影響を受けて、次の日の活力にしてくれるのか。それを見せられるのはピッチだけ。気持ちを行動で示すことがプロとして本当に大事。そんな姿勢を見せ続けることができて、初めてPOや昇格と自信を持って言えるチームになると思います」
確かな技術と洗練された思考が、札幌を強くする。
【道スポが全部読める! お得な年払いプラン】