西野&長谷川が完全合流 「あの光景で心が奮い立った」残り6戦へ懸ける思いは…
全体練習に完全合流したDF西野(中央)。勝負どころで離脱した悔しさを胸に残りシーズンを戦う=撮影・宮西雄太郎
■10月8日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌のDF西野奨太(21)とMF長谷川竜也(31)が8日、札幌市内で行われた全体トレーニングで完全合流を果たした。第30節・徳島戦の勝利に貢献した2選手を負傷で欠いた札幌は、直近のホーム開催で2連敗。PO圏進出を目指すシーズン最終盤に勝ち点を積み上げられなかった。リーグ戦は残り6試合。カムバックした男たちは可能性を捨てず、最後の最後まで死力を尽くす。
西野不在の仙台、山形戦でチーム連敗
急成長を遂げる男の不在はチームにとって痛手となった。徳島戦で左ふくらはぎを打撲した西野は仙台戦と山形戦を欠場。どちらもチームは複数失点を喫し、ホームで勝ち点を逃した。

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覚悟を持っての行動は、結果的に裏目に出た。徳島戦を前半45分で退いた西野は、オフ明け2日目の練習でフルメニューを消化。「チームの状態、良い流れを途切れさせないように多少無理してでもやらないといけない」と上位を走る仙台との直接対決を見据えて、自らの体にムチを打った。
しかし、練習翌日に「リバウンドが来てしまった」と体が悲鳴を上げ、再びチームを離脱。続く山形戦での復帰も叶わず「ケガをして外から試合を見るのは、悔しかったし辛かった。何もできないもどかしさを抱えながら上(スタンド)で見ていました」と素直な思いを口にした。
ブーイングではなく拍手で迎え入れてくれた
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そんなモヤモヤ募る状況の中で、西野は声をからして応援するサポーターの姿を目に焼き付けていた。「皆さんがブーイングではなく拍手で迎え入れてくれて、最後まで応援してくれた。それは普通じゃないし、僕たちは甘えてはいけない。残り6試合はサポーターの気持ちに応えたい。ただ勝つだけではなくて試合に取り組む姿勢、勝利に懸ける思い、ピッチで熱いプレーを見せます。あの光景で心が奮い立ったし(富山戦へ)すぐに状態を上げたい」と意気込んだ。

長谷川も状態良化「どれだけの熱量を持ってやれるのか」
徳島戦で右内転筋を負傷した長谷川も「コンディションは良くなっています」と富山戦に照準を定めている。残り6試合で、PO圏内の6位・大宮とは勝ち点差10。限りなく厳しい状況でも、ベテランはわずかな可能性に全身全霊を注ぎ込む。
「過去はもう戻ってこない。となれば目の前の1試合に、どれだけの熱量を持ってやれるのかが大事。スタメンで出る選手は90分間持たせようという気持ちではなくて、出し切る。そしてサブで待つ選手につなぐ。スタートから1試合に懸ける思いを出すことが、その先につながる」
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復帰後にポジションが約束されているわけではないと自覚する。だからこそ、シーズン最終盤もチーム内競争にこだわり続ける。「休んでいる間に他の選手は試合に出て練習をこなしている。自分が帰ってきてチームが良い方向に進まないと意味がないので、もう1回ポジションを奪わないと」。奇跡を信じる男たちは、熱い思いをフィールドで表現する。
全体練習に完全合流したMF長谷川。PO圏内進出を諦めず残り6試合を戦い抜く