長谷川竜也 行動と背中で示すプロ意識「毎試合、僕が出る意味を自分自身に問いかけている」
8日から全体練習に合流したMF長谷川=撮影・宮西雄太郎
■7月9日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は9日、札幌市内で第23節・磐田戦(12日、ヤマハ)へ向けて全体練習を行った。右足首の負傷で前節を欠場したMF長谷川竜也(31)は、前日8日から全体練習に復帰。この日も紅白戦で躍動感あふれるプレーを披露するなど、故郷・静岡で行われる一戦を前にコンディションを上げている。
熊本戦で右足首を再び痛めて
痛みを押して、ピッチに立ち続ける。ストイックな背番号16の背中が、チームにもたらす影響は計り知れない。長谷川は6月5日の練習中に右足首を負傷し、同16日に全体練習に合流。患部の状態と向き合いながら臨んだシーズン後半戦は、藤枝戦と熊本戦に先発し連勝スタートに大きく貢献した。

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「前に痛めて休んでいた箇所を(熊本戦で)もう1回やった感じです。ずっと痛みがある状態でやっていたけど、各々がいろいろ抱えながらやっている。やれる痛みと厳しい痛みがあって、やれる痛みにするための作業をトレーナー含めたみんなに協力してもらっている。痛みがない状態まで休んでから復帰することは、ほとんどないです」
プロフェッショナルとしてのあり方を、チームに示す。確かな技術と洗練された思考力が凝縮されたプレーは、若手選手にとっての教科書だ。約2カ月ぶりの先発機会を得た藤枝戦では、最前線から強烈なプレスを仕掛けて相手のミスを誘発。青木の超ロングシュートによる先制弾を呼び込んだ。
藤枝戦はケガ明けで不安があったけど
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「毎試合、僕が出る意味を自分自身に問いかけている。藤枝戦はケガ明けで不安があったけど、僕の見せる姿勢がチームに影響を与えると考えていた。プレスの部分では少なからず基準を示すことができたかな。山口戦では(木戸)柊摩のようにうまい選手が、守備でも貢献して良い役割をしてくれた。自分の行動が、若い選手に良い意味で響いてくれたと感じました」
良い守備が、良い攻撃を生む。攻守一体を掲げる岩政サッカーを熟知する男は、仲間と密にコミュニケーションを取り、チーム力の向上を目指す。この日の全体練習後は自らボードを手に取り、バカヨコと青空の下で会話を交わした。

得意とするプレー以外も、仲間のためにやらないと
「1回言っても、全員が覚えられるものではない。『このときは、こうだったよね? 相手がこうなったら、こうしよう』と継続的に、繰り返し話し合う。サッカーは関係性が本当に大事。個人、個人が動いて自分がやりたいことをやっているだけだと、相手は楽なので。得意とするプレー以外も、仲間のためにやらないといけない。特に前の選手は守備も攻撃も、少しのことが大きな差になって返ってくる。そういうところを確認しました」
プロ10年目。川崎時代に4度のリーグ制覇を経験した長谷川は、勝ちきるためのメンタリティーをクラブに植え付けてくれる。「勝ちたいのはもちろんだけど、勝つためにどういう行動をするか、チームでどんな取り組みをするのかが大事。それが次の試合だけではなく、その先の試合にもつながる。選手間で話し合って、チームビルディングをしたい。関係が良くなればなるほど勝ちに近づくと思っているので、そこを惜しまずやっていきます」。勝利の味を知る男が、札幌を強くする。
