高嶺朋樹の同点&決勝ゴールで今季2度目の2連勝「興奮しすぎてちょっと覚えてない」
後半アディショナルタイム4分、逆転の3点目となるシュートを決め、喜びを爆発させるMF高嶺(右から4人目)=撮影・石川崇子
■J2第21節 札幌3-2熊本(6月28日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
北海道コンサドーレ札幌が、出場停止明けのMF高嶺朋樹(27)の出場2試合連続2得点で、今季2度目の2連勝を達成した。0-1の後半11分に、MF青木亮太(29)の変化をつけたフリーキック(FK)をダイレクトで決めると、2-2の同点で迎えた後半アディショナルタイム4分、FKのこぼれ球を豪快にゴールへ叩き込み、今季4得点。次節は今季初の3連勝をかけて、ホームで山口を迎え撃つ。
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サポーターの応援が本当に全て
後半アディショナルタイム4分、勝ち越しゴールを決めるMF高嶺=撮影・松本奈央
今季2番目の観客数となる2万2236人を興奮のるつぼに巻き込んだ。後半アディショナルタイム4分、MF田中克幸(23)からのペナルティーエリア右へのクロスに途中出場のMF原康介(19)が競り合い、こぼれ球を拾った高嶺が左足を一閃。相手選手に当たって軌道が変わったが、そのままゴール右に吸い込まれた。ゴールを見届けると、サポーターが待つゴール裏へ向けて両膝でスライディング。「興奮しすぎてちょっと覚えてなくて。でも本当にうれしかった。サポーターの応援が本当に全てだった」。ドームを包み込む大声援に酔いしれた。
逆襲の口火弾は青木とコンタクト 「即興ですね」
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開始早々、熊本のロングシュートによる失点でプランは崩れたが、後半11分、背番号6が逆襲の口火を切った。ペナルティーエリア左でもらったFKを、キッカーの青木がいったん蹴ろうとしたが、笛が吹かれてやり直し。「1回中断された時に、相手が自分に誰もプレッシャーが来てなかったので、そこで(青木)亮太君に伝えることができた。即興ですね」。青木はゴール方向には蹴らず、右サイドからゴール正面へ走り込む高嶺にグラウンダーのパス。高嶺が左足でダイレクトで放ったシュートは、相手選手の足を弾いて、そのままゴールネットを揺らした。
2点とも勝利への執念が乗り移った
高嶺の2得点は、ともに変化をつけたセットプレーから生まれた。そして両方とも、高嶺の勝利への執念が乗り移ったかのように、相手に当たってもなおゴールに向かう勢いが衰えなかった。「やっぱりシュートを打つことに意味がある。(2点目は)セットプレー崩れで相手も味方も多くいたし、当たってでも入ればいいなと思って打ちました。J1に昇格するために帰ってきたし、その思いは本当に強い。サポーターに対して、(シーズン)前半戦を含めて不甲斐ない試合をしてしまったし、必ず巻き返したいと思って練習から取り組んでいたので、シュートがうまくなったとは思わないけど、気持ちが乗ったゴールだったんじゃないか」。
逆転での劇的勝利に感情を爆発させる岩政監督(中央右)
高校の時の経験が生きてるのかな
この日は慣れないポジションで奮闘した。25日の練習中にDF髙尾瑠(28)が右内転筋を痛め、代わりに高嶺が4バックの右SBでスタメン出場。「やったことがなかったので、ちょっと探り探りな感じでしたけど、中に入ったり外に開いたり、ボールを受けて失わないってところはできたと思う。やったことがなかったので、これができてるのかできてないかも分からないですね。元々右サイドハーフとかやってたので、高校の時に。そういう経験が生きてるのかな。ボランチが一番良いと思いますけど、チームとしてボランチにいっぱい選手がいるし、きょうはアクシデントで高尾選手がいないですけど、確実に僕より高尾さんの方が良いですよ、間違いなく。戻って来てくれたら、しっかり担当してもらえたら(笑)」。
これで3月15日秋田戦、23日愛媛戦以来となる今季2度目の2連勝。次節の相手は3月2日のアウェー戦で0-2の完封負けを喫した山口だ。「山口には前回負けてますし、必ず勝たなきゃならない。自分たちはホームなので。必ず借りを返して、目の前の試合全て勝って、結果連勝につながるように頑張っていきたい」。熱いハートを持つ道産子主将が、逆襲へのストーリーを加速させる。

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