《熊本戦後》弱音を吐かない男。どこかで突き抜けるだろうと思っていました《岩政Talk》
【<月刊コンサドーレ7月号>家泉怜依インタビュー「道なき道を歩いて」《赤黒の肖像》】
■J2第21節 札幌3-2熊本(6月28日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
試合後の岩政大樹監督(43)の一問一答は以下の通り。
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―試合を振り返って
「普通には勝てんのか…? って感想です(苦笑)。試合内容も前半から素晴らしく、この展開で負けてしまったら、どのように選手たちへ共有しようかと悩むほどの試合でした。結果的に最後に勝ちきることができて良かったです。何よりも、これだけ多くのサポーターの皆さんが駆けつけてくださった試合で、このように勝てたことが非常に良かった。同時に感謝しています。2連勝になり来週はまたホーム。勢いを付けられる状況なので気を引き締めて準備をしたい」
【高嶺朋樹の同点&決勝ゴールで今季2度目の2連勝「興奮しすぎてちょっと覚えてない」】
―マリオがリーグ戦2試合目で素晴らしいゴールを決めた
「彼は初日の練習から…、初日は時差ぼけで全然ダメでしたね(笑)。これはコンディションに時間が掛かるなと思って見ていたら、2日目には『これは良い選手だ』とすぐ分かりました。それぐらいフットボールのセンス、フィーリングが良い。あとはコンビネーションをつくることで、結果を出す選手だと思いました。とはいえ、良い選手でも一発目が出ないと苦しむことがある。そういう意味でも一発出て良かった。起点になることも背後に抜け出すことも、クロスに入るところも彼らしいプレーを見せてくれた。同点ゴールも素晴らしかった。今後、札幌が上昇していくための非常に重要なピースになります」
【スーパーマリオ弾! 鮮やかボレーで来日初得点「難しいゴールだった」】
―右SBで起用した高嶺が2ゴール
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「彼には頭が上がりません。今年はCB、左SBとプレーしてもらって、今週は紅白戦が始まったところでボランチとしてプレーしてもらう中で調子、コンディションが戻って来た段階でした。そこでポジションを変えることは、正直悩みました。髙尾が3日前の練習で離脱して、その時点では西野に右SBにトライしてもらうと伝えていました。その日は西野を(右SBへ)スライドさせて(ボランチに)高嶺というラインナップでトレーニングしましたが、自分の中でしっくりこなかった。僕の基本的な考え方として、代わりの選手をあてがうようなことをすると上手くいかない感触がある。別の絵を見せてくれる選手を起用した方が、選手たちもポジティブに捉えられる。成功すればチームにとって良い一歩になる。一日よく考えて決断しました。結果的に上手くいきましたが、これは僕の策でなく、高嶺自身の素晴らしさです。右SBをやってくれと言われて、2日でやってくれた。本当に素晴らしい選手。出場停止を挟んで2試合で4得点。今年はキャプテンを任せていろいろな苦しさがあったので、少し気持ちが晴れる時間になったと思います」
―ボランチの選択肢もあった
「チームの仕組みの中で左SBよりも右SBの方がはまることを、きょうの試合で確認できました。全体の立ち位置、バランス。左と右の前の選手の個性、その組み合わせがある。高嶺が左に入るとタイプ的に上手くいかない組み合わせだが、右の場合ははまると思っていました。2点取ったから言うわけでなく、右でボールを持つことができればカットインからのシュートとクロスがある。キックをより生かすため右SBに置く選択はアリかと思いました。非常に良かったです」
―2試合で4得点の大活躍。攻撃面で高嶺への声掛けはあったか
「ないですよ。僕より彼の方がすごいので。今治戦ときょうの1点目はセットプレーから。左(SB)でボールを持っても突き刺すのは難しいが、左利きが右で持てば入る可能性は高い。今は左に青木がいる。そこはオーバーラップするミンギュがいた方が組み合わせが良い。高嶺が配球しても(青木)亮太と被ることがある。右は(白井)陽斗や近藤なので、後ろで高嶺が荒野と入れ替わるようにいろいろなポジションを取れば、シュートやクロスでより相手のゴールを脅かすシーンを増やせると想像していた。右SB、もしくはボランチでも右でプレーする機会を増やせば、ああいうシーンが出てくる。その辺の組み合わせもあって西野を左ボランチ、荒野と高嶺の2人を近くで自由にプレーさせてもバランスは崩れないと考えました」
―シーズン中は悩んでいる様子だった
「それは仕方がない。キャプテンを任されて結果が出なければ苦しみます。そこで苦しまない奴ならキャプテンをやらない方が良い。それは彼が乗り越えるしかないと思って見守ってきた。前半戦は選手の離脱があって、いろいろなポジションをやらされた。後ろの選手がいないことで本来のポジションができないこともあった。いろいろな葛藤はあったと思うが、僕にもチームメートにも打ち明けないし弱音を吐かない男ですから、どこかで突き抜けるだろうと思って見ていました。開幕当初から彼のパフォーマンスが出せていなかったので、京谷らフィジカルスタッフを含めて、いろいろ話をしながら取り組んできた。彼の特長を生かしやすいポジションを見つけることが僕の仕事だった。開幕当初に組んでいた馬場は右でプレーするのが好きなので(高嶺は)左が多かった。これまでのキャリアでも左が多かったけど、ボールがオンのところやドリブルを見ても右サイドの方がいろいろな選択ができそう。それも最近、いろいろなバランスが整ってきたことの一つですね。データを含めて、彼のパフォーマンスは上がってきている。もうそろそろ抜けてくると彼自身も感じています。今週、また突然ポジションが変わったので、不安を述べていましたが、よく乗り越えましたね。さらにキャプテンらしくなってきたし、チームを引っ張る男としてサポーターにも認められ始めていると思います」
―前半から連動したプレーが見られた。前半戦との変化を感じるか
「まずは得点を取れていることです。中断明けからの(公式戦)4試合で僕らは2点、2点、3点、3点と取れている。得点をが生まれると自信を付ける選手が出てくる。原、木戸、きょうのマリオも。得点を取ることはパフォーマンスを上げる大きな要因になる。取れそうだという空気も生まれる。今年は4試合無得点から始まったので失点すると苦しいという雰囲気だった。今はその空気がない。前節の藤枝戦で良い戦いをしたが、最高の試合ではないという話をしていた。自分たちの保持のところでもっと意図的に相手を崩せる。熊本の仕組みに対しては、より有効になると伝えて1週間の準備をしてきた。失点した後も、それを出し続けてくれた。あのまま負けていたとしても、その点は褒めたと思う。攻撃の仕組み、組み合わせがようやくはまってきた。誰と誰が組むと、こうなるんだと見えてきた。きょうもアマ(バカヨコ)とマリオを代えて、チェック(スパチョーク)のところは木戸もできる。きょうは原が出ましたが、そこには近藤も帰ってくる。最後も(田中)克が出たし、大﨑もいる。家泉も出て、良いフィーリングでプレーしてくれた。今は良い競争が各ポジションに生まれている。選手たちを競わせながら、モチベーションを高めていくだけ」
―(会見後に記者を呼び止め)
「言おうと思っていたのに伝え忘れてました! きょうは練習前、試合前、ハーフタイムに3回水をまいてもらって、芝の状態がとても素晴らしかったです。今治戦から散水車を導入してもらったけど、そのときは1回で、後半に乾いてしまった。きょうは札幌ドームの皆さんのおかげでよくボールが回りました。感謝しています」
【石水社長と親交あるグラフィックホールディングスとオフィシャルトップパートナー契約締結】
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