高嶺朋樹主将がプロ入り後初めてPKのキッカーに名乗り出た理由とは―
後半24分、一時勝ち越しとなる2点目のゴールを決めて歓喜するMF高嶺主将(中央)と札幌の選手たち=撮影・松本奈央
■J2第19節 札幌2-2今治(6月15日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
〝Wトモキ〟で2得点
約2週間の中断明けとなったリーグ戦で北海道コンサドーレ札幌は、今治と対戦して2-2のドロー。0-1で迎えた後半13分にMF高嶺朋樹主将(27)がPKを決めて同点とし、同24分には再び高嶺の豪快ミドルで勝ち越したが、後半終了間際にパスミスから同点ゴールを許した。次節は18日の天皇杯2回戦をはさみ、21日に藤枝とアウェーで対戦する。
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後半13分、ペナルティーマークにボールを置くMF高嶺主将
同点弾も勝ち越し弾も〝トモキ〟から〝トモキ〟へ託された。0-1で迎えた後半12分、MF近藤友喜(24)がドリブルでペナルティーエリア右から侵入すると、突破された相手選手がたまらずファウルで倒してPKを獲得。ここでボールを持ったのは高嶺だった。
「まさか本当にこうなるとは…」 古巣復帰後初ゴールに感情を爆発
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プロ入り後初となるPKのキッカーに名乗り出た理由は、「友喜が『俺が(PK)取ったら蹴らないんで、朋樹くんお願いします』みたいな話があった。まさか本当にこうなるとは思わなかったけど。(最初は)外してしまいましたけど、最後しっかり決められて良かった」。一度は相手GKに阻まれたが、跳ね返りにすぐに反応して押し込み、古巣復帰後の今季初ゴールに感情を爆発させた。
さらにその11分後。途中出場のFW白井陽斗(25)がドリブルで仕掛けて得たFKからの波状攻撃の中、ゴール前でのこぼれ球を拾った高嶺が右サイドの近藤へ。近藤が相手2人を引きつけ、再び高嶺へ戻すと、左足を一閃。相手GKは軌道を読みきることができず、豪快にゴールネットを揺らした。「友喜が右サイドで2人を引きつけてくれたんで、パスを出してくれればシュートを打てるなと思っていたけど、良いタイミング出してくれて、トラップして冷静になって、枠にしっかり決められたので良かった」。スタジアムの興奮は最高潮に膨れ上がった。
後半24分、2点目のゴールを豪快ミドルで決めるMF高嶺主将
本職のボランチで躍動
今季は最終ラインでプレーすることが多かったが、本職のボランチで出場し、水を得た魚のように躍動した。「前でプレーできるんで、ゴール前に入って行く回数も多かったし、守備でも前向きで取れる回数が多かった。そういった部分で言えば自分の特長は出しやすいポジションだった」。
90分までは試合後の〝お立ち台〟は確実だったが、自分たちのミスから約1カ月ぶりの白星をつかみ損ねた。「勝ち点2を失った結果になってしまったので、すごく悔しい、残念な結果になってしまった」。自身初の1試合複数得点にも笑顔は少なかった。
足りなかったピースは揃った
この試合でリーグ前半戦は終了。開幕前は予想だにしなかった低空飛行だが、まだJ1昇格の可能性が消えたわけではない。新加入のDF宮大樹(29)とDF浦上仁騎(28)が移籍後初戦で2人ともスタメンフル出場。
「新加入選手が入ってきて競争が激しくなってきているし、声を出せる選手も多くなってきた。もうピースは揃っているので、あとは自分たちがやるだけだと思っているし、自分たちのサッカーができれば相手より有利に立って(試合を)進められる。後半戦は必ず巻き返してJ1に昇格したい」
もう勝ち点の取りこぼしは許されない。チームの精神的支柱が後半戦の巻き返しをけん引する。
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