花を飾ることは、生活に彩りを与えてくれる。エスコンフィールド北海道のロッカールームの入り口には、季節ごとに生花が置かれている。春は桜、夏はヒマワリ。前日１０日からは、秋に赤い実を付けるナナカマドがお目見えした。

　心がホッと温まる試みを今年から始めたのは、岩本賢一チーム統轄本部副本部長だという。記者が経緯を尋ねると「いやいや、とんでもないです。選手に季節を感じてほしいので。花を飾るロッカーっていいじゃないですか」と照れくさそうに明かしてくれた。

　秋の訪れを告げる樹木は、旭川の「市民の木」。こんな思いも隠されていた。１１日に本拠地でクライマックスシリーズ（ＣＳ）ファーストステージ初戦を迎え、「願わくばなんですけど…。（その横に）旭川出身のスタルヒンさんの写真が飾ってあるんです。背番号１７。きょう勝てば、ナナカマドを添えた意味がありますよね」

　ＣＳ初戦のマウンドを託されたのは、背番号１７の道産子エース伊藤。伝説の大投手・スタルヒンが、主に背負った番号と同じだ。粋な計らいに、胸が熱くなった。