《平川弘のCool Eye》山形戦にみるDFライン裏の攻防 浦上と中村に何が足りなかったか
現実的にPO進出へ目を向けていこう
山形に1-2で敗れ、ホームで3連敗した札幌。次節の結果次第で自動昇格がなくなるとか騒いでいるが、ちょっと違うんじゃない? 残り6試合でプレーオフ圏の6位・大宮までの勝ち点差は10ポイント。自動昇格の2位・長崎までは16ポイントあるため現実的ではなく、プレーオフ(PO)に目を向けるべき。PO進出も、もうレッドゾーンに入っているのだが…。
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裏のスペースを消されたら工夫が必要
MF近藤が出場停止だったため、右ウイングバック(WB)にはFW白井を、トップにはFWマリオ・セルジオを使ってきた柴田監督。近藤が使えたら、トップは白井だったのでは? ただ、ここのところ柴田監督の目指すスペースアタッキングが上手くいかず、攻撃がノッキングしていたのは確か。トップの白井やWBが走り込むスペースを消されると相手DFを崩せなかった。
ポジションチェンジでDFを食いつかせて穴を作る等の工夫が必要である。相手が前に出て来ず、裏のスペースがないのなら無理に裏へボールを蹴る必要はない。ビルドアップして前進していけばいい。そういう意味で山形戦は起点となれるマリオを前線に起用したのではないだろうか。
スクランブル出場だった田中宏の出来
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中央で起点をつくってサイドからの突破を狙う。ところが頼みの白井が壊れてしまい(前半29分で負傷退場)、大慌てでMF田中宏がスクランブル発進。田中宏の出来は良く、積極的なドリブル突破は一皮剥けた感があった。あとは足元でなく、DFの裏をつくランニングを入れることでもっとプレーの幅が広がるだろう。田中宏の強引な突破は札幌の数少ない光明だった。
1失点目のマークの受け渡し
この試合を難しくした山形FWディサロにやられた1点目を考察してみたい。DFラインの裏をとられてボレーで決められた。DF浦上とDF中村のコミュニケーションが足りなかったことが失点の要因だ。最初は浦上がディサロのマークに付いていたが、相手MF土居が自分のゾーンに入って来たため、ディサロを中村に受け渡したかどうか? 首を振って中村に「絞れ」とコーチングがあるべきだが、なかったと思う。
中村も自分のマークがいたが、絞り遅れたのはいただけない。中村は持ち味の推進力を出せていただけにディフェンダーとしてのミスは残念だった。そいう本当に細かいところで勝負は決まる。
次節は相手の裏をとっていこう
代表のパラグアイ戦もあって、今週はゲームがない。このインターバルで筋肉系の不具合がある白井が戻ってくるとは思えない。次節は近藤が右WBでトップにマリオとなるだろうか。とにかく相手の裏をとるランニングを見せてほしい。
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