【’25ドラフト道産子有望株】⑪北海学園大の強肩捕手・新谷盛飛 ソフトバンクの元相棒と同じステージ目指す
二塁送球1秒7の強肩を誇る北海学園大の新谷=撮影・西川薫
北広島東部中時代にバッテリー
今秋のプロ野球ドラフト会議(10月23日開催)で指名が期待される選手を紹介する「’25ドラフト道産子有望株」。第11回は6月の全日本大学野球選手権で67年ぶりに8強入りした北海学園大の扇の要・新谷盛飛捕手(4年、北海学園札幌)。高校時代は全道大会に出場できなかったが、北広島東部中時代にバッテリーを組んだ、ソフトバンク・木村大成(22、北海)の姿に刺激を受け、大学の4年間で大きく成長を遂げてきた。
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二塁送球最速1秒7の強肩を武器にプロの扉をこじ開ける。秋季リーグ戦は10試合で33打数10安打5打点。大学キャリアハイの打率.303をマークした。チーム順位は2位で明治神宮大会出場は叶わなかったが、「高校の時は(志望届を)出せるような選手でもなかったので、大学4年間で結果もそこまで出せてないですけど、ひとつ自分の中では大きいことかな」。北海学園大からは総勢6人がプロ志望届を提出。その中でただ1人の捕手として指名を待つ。

初めての全国大会で驚いた「リードの大きさ」
3年までは先輩捕手の壁を崩すことができず、正捕手に定着したのは今春。リーグ戦10試合全てで先発マスクをかぶると、打率.275をマークして4年ぶりの全日本選手権出場に貢献した。野球キャリアで初めての全国大会。1回戦の上武大戦で一塁走者のリードの大きさに驚いた。「これで走られたら刺せないなと思っちゃった。今まで見たことないリードの大きさだった」。ただ同時に「なめられている」とも感じた。4つの盗塁を許したが、2つ阻止した。2回戦の佛教大戦では三盗を阻止。全国の強者たち相手に自信を深めて北海道に帰ってきた。
7月31日、ご近所のエスコンに足を運んだのはー
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秋のリーグ戦開幕前の7月31日、実家から徒歩圏で、完成前にも何度も見に行った北広島・エスコンフィールド北海道に足を運んだ。お目当ては地元日本ハムではなく、かつての相棒の勇姿を見るため。対戦相手・ソフトバンクの木村は、前日30日にプロ入り4年目で初めて1軍登録されたのだ。木村ら中学時代のメンバーとは今も年末に集まり、食事を共にすることがあった。この日、残念ながら1軍初登板はならなかったが、左翼ブルペンで準備する木村の姿を目に焼き付けた。
建設途中のエスコン見て「自分もいつかは」
中学時代は、新谷も木村と同じ北海への進学を希望したが「自分の実力的な部分で厳しいな」。最終的に同じ敷地内の兄弟校・北海学園札幌に進学した。木村は1年春から公式戦で登板。早々にプロ注目の存在へと成長した元相棒を横目に、新谷はメンバー入りへもがく日々が続いた。「大成は春からもうベンチに入って投げていたので、すごいなと思いましたし、悔しいなって思いました」。コロナ禍の2年4月、エスコンの工事が開始。「出来上がる途中にも、友達と見に行ったりしてました。自分もいつかは、と」。日本ハムの新本拠地を見上げながら、巻き返しを誓った。
北海学園大の新谷は、4年秋季リーグで打率3割をマークした
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4年間、成長する姿を見てきた島崎圭介監督(54)も認める、練習の虫だ。新谷は「最初の3年間は試合に出てないですし、すごく苦しい日々がずっと続いていたので、途中で逃げ出したくなるような時もありました。正直、高校3年間うまくいかなかったので、最初は野球も大学であまりやるつもりはなかった」と当時の胸の内を明かした。「でも、大成もプロに行って、刺激を受けて、自分ももう少し頑張りたいと。周りの同級生がプロ目指してたり、高校で活躍している選手ばっかりだったので、それに引っ張られて4年間やってきた」。いつかまた相棒と組む日が訪れることを信じて、夢を追い続ける。
■プロフィール 新谷 盛飛(しんたに・もと) 2003年12月17日、北広島市生まれ。173センチ、76キロ。北の台小1年のとき、北の台カープジュニアで野球を始め捕手一筋。北広島東部中ではソフトバンクの木村大成とバッテリーを組む。北海学園札幌では2年秋からマスクをかぶるが全道大会出場はなし。北海学園大では4年春からスタメンで出場。6月の全日本大学野球選手権は3試合に出場。家族は両親と兄。
