大学・社会人野球
2025/09/02 22:30 NEW

北海学園大が2位ターン 3安打1打点&火消しの常谷にMLBが関心示す【札幌6大学野球】

勝利を決めチームメートと抱き合う北海学園大の常谷(中央左)=撮影・西川薫

■札幌6大学野球秋季リーグ戦(9月2日、札幌・モエレ沼公園)
▽第1節最終日 北海学園大(3勝2敗)5-4札幌大(4勝1敗)

首位の札幌大に土付けた

 今春王者の北海学園大が、昨秋王者の首位・札幌大に土をつけ、1勝差で前半戦を折り返した。北海学園大の〝プロ注目カルテット〟唯一の野手・常谷拓輝内野手(4年、札幌静修)が1-2の五回2死三塁から右越えに適時三塁打を放つなど3安打1打点。さらに九回、1点差に迫られ、なおも1死一、三塁の場面でマウンドに上がると、右サイドハンドから最速144キロの直球を武器に、遊併に打ち取り激戦を制した。強肩&広角スラッガーの二刀流右腕に、NPBのみならずMLBの複数球団もマイナーでの獲得を視野に注目している。

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 もし敗れれば、首位と3勝差。優勝戦線から大きく後退してしまう大事な一戦。九回無死一塁から、慣れないナイター照明に加え、急に降り出した雨の影響で、左翼手が落球。一打同点の大ピンチで、昨年5月2日の春季リーグ戦以来、1年4カ月ぶりに〝困ったら常谷〟が発動。わずか3球で仕留めてガッツポーズ。「センター前に抜けたか、と思ったんですけど(遊撃手の火ノ川)優作がいい位置に守ってゲッツーを取ってくれた。本当に助かりました」。九回裏に激しく降り始めた雨が勝利を祝福するシャワーに変わった。

スクランブル登板はお手のもの

 準備はできていた。札幌静修高時代から野手と投手の二刀流。公式戦では久しぶりだったが、島崎圭介監督(54)は秋季リーグ開幕に際して「常谷は10試合いつでも行けるように、とスクランブル態勢だった」と、オープン戦でいざというときのために準備していた。常谷も五回終了時のグラウンド整備の際に、ブルペンで15球ほど投げて一度、肩を作っていた。九回の守備に就く前、指揮官から「もしピンチになったら、打順を見て行くから頭に入れといて」と予告。ピンチにも動じずにマウンドに向かった。

 高校時代は甲子園とは無縁。全国的に無名だった常谷が注目を浴びたのが、6月の全日本大学選手権。1回戦の上武大戦で1安打1打点をマークすると、2回戦の佛教大戦で2安打、3回戦の青山学院大戦で3安打と12打数6安打の5割を放ち、67年ぶりの8強入りに大きく貢献した。「自分の持ち味の長打に関しては、全国の舞台では出なかったですけど、初戦、2戦目、3戦目と、ヒットが1本ずつ増えていって、すごく自信になりました」。

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