〝北のオールブラックス〟遠軽が3連覇 ナンバー8に転向の吉田琉希也が5トライ【高校ラグビー北北海道大会】
北大会3連覇を達成した遠軽フィフティーン=撮影・西川薫
■全国高校ラグビーフットボール大会北海道予選(9月28日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
▽北大会決勝 遠軽84-5中標津
個と組織を融合し13度目の花園へ
昨年の花園経験者が多く残る遠軽が、中標津を84-5の大差で下し、3連覇を達成した。1年時から主力としてプレーしてきたナンバーエイトの吉田琉希也(3年)が、開始1分の先制トライなど、1試合自己最多の5本のトライをマークするなど個人技が際だった。石崎真悟監督(47)は「僕が9年、(部を)持ってる中で一番、組織的なラグビーもできるし、強いのはすごく分かっていたので、しっかり(実力を)証明できたことは本当に嬉しい」。最強布陣で13度目の全国に挑む。
遠軽のナンバーエイト・吉田が、前半10分に2本目のトライ。チーム最多5本のトライをマークした
愛称は「BLACK STONES」
圧倒的な攻撃力で頂点に立った。2023年6月、遠軽町内白滝遺跡群から出土した後期旧石器時代の黒曜石などが国宝に指定。今年から町の広告塔として、ユニホームも黒曜石をイメージする漆黒に生まれ変わり、チームの愛称も「BLACK STONES」として生まれ変わった。
先制から前半15分までに怒濤の3連続トライで攻撃をけん引した吉田は「ファーストトライからセカンドトライまで全部自分でいけたので、チームに流れを持っていくっていう面では達成できたので、そこは良かったかな」。新ユニホームも「オールブラックスみたいで気に入ってます」。ラグビー界最強を誇るニュージーランド代表を彷彿とさせる新たな〝戦闘服〟で花園へ乗り込む。
ボールタッチ数が多いポジションへ 水を得た魚のように
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吉田は1、2年時はバックスとして花園に出場したが、最上級生となった今春は石崎監督が「フォワード、バックスのバランスと、彼はボールキャリアの能力が高いので、ウイングに置いとくより、一番ボールタッチの回数が多いポジションに変更した」と、ナンバーエイトに転向。本人も「フォワードはボールをもらう回数が増えるので、持ち味のキャリーをする回数が増えるので、自分にはあっている。足の速さが持ち味。バックスでもキックも蹴られるので、どこでもいける」。オールマイティーさが求められるナンバーエイトで、水を得た魚のようにはまった。
全国でもアタックをアピールしたい
元々はサッカーに打ち込んでいたが、中学3年でラグビーに転向した。「体格は元から良かったので、サッカーじゃ接触が激しくなってファウルになってしまうので、接触の激しいラグビーに移動しようかなって。やっぱり激しいコンタクトができるので、そういった面でやっぱり面白さはあります」。ラグビーの面白さに魅了された。自身3度目の花園となる吉田も「去年よりも、フォワードで出るっていう部分で大きな違いだと思うので、全国でも自分のアタックをアピールしていきたい」。
前半10分にトライを決めた遠軽の吉田(手前)
国宝に負けない
北大会では吉田の個人技が目立った形となったが、石崎監督は「個々の能力があるのは分かっている。でも僕ら花園も目標としているので。1対1の個人技で抜けてトライを取るシーンがちょっと多かった分は悪くないけど、全国では簡単に点数が取れない。ラインブレイクすることは難しい。組織的に取るトライも何回かあったので、個と組織をしっかり融合して、クオリティの高いラグビーをしたい」。国宝に負けないくらいの活躍で、遠軽の名を全国にとどろかせる。
北大会3連覇で胴上げされる遠軽の石崎監督(中央)
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