Fジュニアは2勝1敗も予選G敗退 エース・岩野がバットで雪辱の公式戦初アーチ【NPBジュニアトーナメント】
一回無死二塁、右翼特設フェンス直撃の先制二塁打を放つ岩野=撮影・西川薫
■NPBジュニアトーナメント(12月28日、東京・神宮球場ほか)
▽予選グループC 日本ハムジュニア10-0オイシックス新潟ジュニア
※四回コールドゲーム
先制二塁打&ダメ押し2ラン
1勝1敗で最終戦に臨んだ昨年準Vの北海道日本ハムファイターズジュニアは、11安打10得点の猛攻で四回コールド勝利を挙げて2勝1敗としたが、広島ジュニアが3戦全勝したためにグループリーグ敗退が決まった。一回に無死二塁から夕張市出身の2番・岩野崇來外野手(6年)が右翼特設フェンス直撃の先制二塁打を放つなど打者一巡の猛攻で7得点。さらに岩野は続く三回の第3打席で走者を三塁に置いて、公式戦初本塁打をマークするなど、プロ野球選手への登竜門と言われる大会でスケールの大きさを示した。
一回無死二塁、右翼特設フェンス直撃の先制二塁打を放った岩野(左)。中継プレーがもたつく間に一気に三塁を陥れた
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3打席目は打った瞬間に確信
ソフトバンク柳田ばりにフルスイングした岩野の打球は、乾いた音を響かせ神宮の空に高々と上がった。1打席目はフェンス直撃の二塁打だったが、三回には正真正銘、柵越えの2点本塁打。打球の行方を確認すると、バットをポーンと放り投げてダイヤモンドを1周。「1打席目はちょっとインコース気味、3打席目はど真ん中でした。もう打った瞬間、行ったと思いましたね」。三塁を回りながら、少し気恥ずかしそうに三塁側ベンチに向かってキツネポースを披露した。
広島との初戦で本領を発揮できずも 残り2試合は打席に立つ度に…
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この試合、岩野は並々ならぬ決意で臨んでいた。エースとして挑んだ26日初戦の広島ジュニア戦。2回6失点で途中降板し、打っても「緊張もあって、全部フライかゴロだった」。大黒柱の不振にチームも0-7で五回コールド負け。「1試合目はチームに迷惑かけたので、2、3試合目で取り返そうと思っていた」。27日のくふうハヤテ戦では2安打、この日もマルチ長打で3打点。打席に立つ度に持ち味を発揮した。
大差での勝利が最低条件だった最終戦。打線が爆発し、四回できっちりと決着をつけた。吉田侑樹監督(31)は「とにかく点差をつけて勝つことが一番だったんすけど、何点であれ勝つことが大切だった。その中で点差をつけて勝てたので、あとは信じて待つだけ」と話していたが、同時刻に横浜スタジアムで行われていた広島が4-2で勝利し、2年連続の決勝進出が途絶えた。
三回2死二塁、2点本塁打を放ち、ベンチに向かってキツネポーズをする岩野(左)
大敗からの挽回に成長が見えた
14年ぶりの頂点には届かなかったが、個性豊かな道産子たちは、大舞台でその持ち味を遺憾なく発揮した。吉田監督は「1戦目、ちょっと選手も緊張していて、ああいう風になったんですけど、そのあと昨日、今日としっかり切り替えて勝ってたので、選手はこの大会を通じて成長できたんじゃないか」と目を細めた。
日本ハムジュニアは9-0の四回2死二塁から丹波主将(中央)の中前打でコールド勝ちを決めた
大谷を超えるプレーヤーに
今大会はプロへの登竜門と言われる。今年のドラフトでは2015年のFジュニアに所属した宮下朝陽内野手(東洋大-北海)ら3人の道産子大学生がプロ入り。これまで総勢12人をプロに輩出した。岩野も「将来は大谷翔平選手を超えるプレーヤーになります」と、夕張市から全国区へ羽ばたいていくことを目指す。吉田監督は「勝った負けたはあると思うんですけど、全国でいろんなレベルの高い選手を知れたというのはすごい大きかったと思う。先のステージに行ってもリーダーシップを取りながら、このジュニアで学んだことを生かしてほしい」。この大会で活躍した選手が将来、再び日本ハムのユニホームに袖を通す日が来るかもしれない。
■先発して四回1安打4奪三振で0封した川内谷遥泰投手(6年)
「神宮のマウンドはめっちゃ良かったです。絶好調でした。コントロール、タイミングや球速、三振と、いつもよりは良いピッチングができた。中学でもどんどんリーダーシップを取って、三振も取っていきたい」
先発し、4回1安打4奪三振で0封した川内谷
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