《鶴岡慎也のツルのひと声》先発ローテの1~2枚目になっていくべき福島 そのための課題は明白
■パ・リーグ21回戦 ロッテ2-7日本ハム(9月21日、エスコンフィールド北海道)
打線を勢い付かせた水谷の先制弾
優勝争い真っただ中のチームと最下位に沈むチーム。その差がハッキリと出た試合だった。
その流れをつくったのが水谷だ。一回1死一塁で小島の初球を右中間スタンドへ運ぶ先制2ラン。これが大きかった。この一発でペースを握ったファイターズ打線。前日同様、この日も1番・万波からレイエス、水谷、郡司と続く打線が機能した。
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2つの押し出し四球に見えた本塁打効果
ホームラン攻勢はいわば、日本ハムのお家芸。その効果を存分に見せつけたのが六回だろう。2死満塁から2つ押し出し四球で2点を追加した。ロッテの先発・小島の調子は決して悪くなかった。だが、本塁打を警戒するあまりに満塁で2人に四球を与えてしまった。
開幕投手を務めるほどの実力者でも、ゾーンに投げ込むのを躊躇(ちゅうちょ)させる。そんな強さが今、ファイターズ打線にはある。
自身5連勝を飾った福島なのだが…
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福島は負けなしの5連勝を飾った。実に立ち上がりが良いピッチャー。一方で、課題は明白だ。走者を背負った直後、1人目の打者に対した時のクイックモーションだ。リリースのタイミングが合わなくなってしまう。となれば当然、ボールは抜ける。この日もそんなシーンが見られた。
ベテランの先発投手ならば、次回のマウンドまでは調整のみで済む。福島は違う。しっかりと課題と向き合い、調整と並行し、成長を図っていかなくてはいけない。
目を見張る成長スピード
5勝は素晴らしい。だが、今は打線の援護もあって勝たせてもらっている印象がある。本人も六、七回と試合をつくるイニングを伸ばしていきたいはずだ。現在は先発ローテーションの5~6枚目。今後、1~2枚目になっていくべきピッチャーと、私は思っている。
シーズン中にもかかわらず、その成長スピードには目を見張るものがある。次回、課題を克服した姿を披露してもらいたい。
楽しみな若いバッテリーの今後
ずっとバッテリーを組んでいる田宮によって成長できる要素もあるだろう。田宮は若いキャッチャーだが、福島はもっと若い。どんどん指摘するべきことは伝えていくべきだ。これから何試合もコンビを組んでいく2人。福島の成長は自身のリードをも楽にする。
若いバッテリーの〝これから〟にも注目していきたい。