有薗直輝 グランドスラムにならずも攻守で存在感 メンタルが安定してきたワケ
一回1死満塁、左犠飛を放った有薗(左)=撮影・井上浩明
■パ・リーグ22回戦 楽天6-2日本ハム(8月30日、エスコンフィールド北海道)
悔しさにじむ価値ある一打
あと一歩で、記念すべきグランドスラムだった。日本ハムの有薗直輝内野手(22)が1-1の一回1死満塁で勝ち越しの左犠飛を打ち上げた。大飛球に3万3千人超の観客から大きな歓声が上がり、グランドスラムの期待に満ちた。しかし、左翼手がフェンス手前で捕球した。
勝ち越し犠飛になったが、もう一伸び足りず、メモリアルな一発とはならなかった。ただ感触は詰まっていたこともあり「もしかしたらと思いましたけど、詰まってたんで、行かなかったっす」
一回1死満塁、左犠飛を放つ有薗=撮影・松本奈央
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予測と準備 「反応で捕れて良かったです」
それでも3試合ぶりに先発した有薗は、攻守で奮闘した。四回には先頭打者で右前打を放つと、五回の守備では2死一、二塁から、楽天・宗山が放った強烈な三塁線のゴロを横っ飛びで好捕。すぐさま二走を三塁で封殺した。
「来そうだなと予想していたので、本当に来て、反応で捕れて良かったです」。持ち前の打撃のみならず、守備面でもアピールすることに成功した。
プロ初安打で覚醒!
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ようやく、ファームの試合と同じような精神状態で試合に臨めるようになった。5月に今季初の1軍昇格を果たした際には3試合連続でスタメン出場するも、9打数ノーヒットで2軍降格。ただ、西武の今井などレベルの高い投手と対戦できた経験を糧に、鎌ケ谷で汗を流した。
そして、今月13日に再昇格を果たすと、同日に行われたロッテ戦(エスコン)の第1打席でプロ初安打をマーク。〝呪縛〟から解き放たれると、17日の楽天戦(楽天モバイルパーク宮城)ではプロ初の猛打賞と、水を得た魚のように快音を重ねた。「ヒットが出るまでとは全然、違うというか、ファームの時と同じような感じで今はできています」
リフレッシュに必要なゲームの時間
その精神の安定は、仲間との日常の交流にも支えられている。時間を見つけては、仲の良い畔柳や星野とTPS(サードパーソン・シューティング)ゲーム「荒野行動」をオンラインで夜な夜なプレイ。バトルロイヤルゲームを楽しみながら雑談を交わすことでリフレッシュしている。
そして「田宮さんとか水野さんもやっているので、一緒にやったりします」。先輩との〝コミュニケーションツール〟としても「荒野行動」は役に立っている。
四回、先頭で右前打を放つ有薗
目指すは逆転V 「やっぱり勝ちたい」
熾烈(しれつ)なペナントレース終盤戦。この舞台で戦えていること自体、有薗にとってはプラスしかない。緊迫した戦いを肌で感じながら、成長につなげていく。当然、戦力としても働いてみせる。
「優勝争いしているので、やっぱり勝ちたいって気持ちが強いです」。現在の1軍最年少野手が、逆転優勝へ向けた1つのピースとなる。