有薗直輝 あの先輩から教わった動画で見た〝近本流思考〟で変化「調子が悪い時に…」

■パ・リーグ15回戦 ロッテ2ー3日本ハム(8月13日、エスコンフィールド北海道)
待ってました! プロ初安打は打点付き!
日本ハムの有薗直輝内野手(22)が待望のプロ初安打をマークした。
今季2度目の1軍昇格を果たすと、「7番・一塁」で即スタメン出場。二回1死二塁で迎えた第1打席。先制打となる中越えの適時二塁打をマークした。チームの連敗ストップに貢献した若き大砲。無安打に終わった前回昇格時の悔しさを晴らし、新たな第一歩を踏み出した。
「ゾウみたい」な優しい性格
のんびり屋だが、優しい力持ち。周囲からは「ゾウみたい」と親しみを込めて言われることもある。生まれた時から3850グラムあり、幼稚園の頃にはすでに、周りの友達より頭一つ大きかった。
立派な体に育ててくれた両親への感謝の思いは、いつも胸に刻んでいる。野球を始めたばかりの小学生の頃から、打てなくても温かく励まし、支え続けてきてくれた。「初球をしっかり振れ」「下半身を使って打て」という教えは、今でも大切にしている。
レジェンド左腕や選手会長から送られたエール
今季が高卒4年目。多くの指導者、先輩たちから、プロ野球選手としての生きざまを学んできた。23年9月の2軍戦で、宮西が登板時に失策を犯した際には、「大丈夫だから、エラーしたら、声出せよ。その後が大事だよ」と励まされた。
22年に鎌ケ谷での打撃練習で、左翼ファウルゾーン後方にあった松本剛の車に打球をぶつけた時は、「正直、すごく期待している。センター方向に打った方が良いと伝えました。右中間におっきい当たりが打てるのが有薗の魅力。そこを磨いてくれたらうれしい」と、おとがめなしでエールを送られた。
いずれ1軍の主砲に― 稲葉2軍監督の思い
昨季から、稲葉2軍監督は多くの試合で有薗を4番起用してきた。将来、1軍の主砲を任される選手になってほしいと期待を込めての抜てきだった。
開幕から結果が出ず、「めっちゃきつかった」と落ち込んだ時には監督室に呼ばれ、「おまえがこれからチームの4番を背負っていくとなったら、その姿をみんなが見ている。切り替えもそうだし、いくら悪くても声を出すとか、そういう選手になっていかないと、周りに認めてもらえないよ」と主砲の心得を伝えられた。