有薗直輝 横尾2軍打撃コーチの誕生日に〝祝砲〟 今井、隅田、九里との対戦で得たものは…
七回に3ランを放った有薗(中央)=撮影・近藤裕介
■イースタン・リーグ7回戦 DeNA7-6日本ハム(5月27日、鎌ケ谷スタジアム)
2軍で両リーグ独走の9号
日頃からお世話になっている〝師匠〟に、お祝いの一発だ。
日本ハムの有薗直輝内野手(22)が「4番・三塁」で先発し、七回2死から左越え3ランを放って、誕生日だった横尾2軍打撃コーチを喜ばせた。
納得の一撃 「ちゃんと修正できた」
1打席目は四球を選び、2、3打席目を凡退して迎えた4打席目だった。
「2打席凡退して、打席で(打てる)イメージが湧かなかったので、ちょっと(投球軌道の)ラインを引いて打つようにしました」。DeNA・ディアスが投じた初球の内角直球をさばいた特大アーチに「ちゃんと修正ができて、仕留められて良かったです」と胸を張った。

かわいい教え子のバースデー弾に横尾コーチは…
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ハッピーバースデー弾だ。5月27日は、横尾コーチの32回目の誕生日。いつも前向きで的確な助言をくれる優しい先輩に、有薗は絶大な信頼を置いている。
試合後は「そうです、そうです、横尾コーチのために打ちました(笑)」。教え子からの〝プレゼント〟に横尾コーチは「ありがとうございます。何よりもうれしいです」とにっこり笑った。
満を持して昇格も9打数無安打
3、4月はイースタン・リーグ月間MVPを獲得する活躍を見せ、5月3日に満を持して今季初昇格を果たした。ただ、そこから3試合連続でスタメン出場したものの、9打数無安打5三振。プロ初安打を放つことなく、6日に登録を抹消された。
出場した3試合の相手先発は、西武・今井、同・隅田、オリックス・九里。球界を代表する投手たちに力の差を見せつけられ「地獄でした(笑)。えげつないピッチャーばっかりです。先輩たちから、『ハードラックだな』ってめっちゃ言われましたね。初めて見た九里さんのスプリットチェンジ、すごかったです」と脱帽するしかなかった。

悔しさと引き換えに得たもの
悔しさを味わったが、代わりに大きな収穫も得た。
「これが1軍のトップレベルだ、というものが分かった。それは大きいです」。降格後の2軍戦では、あえて「相手投手の得意球を狙って打つこと」に取り組むなど、リベンジへ向け動き出している。
確実に力強く成長中
そんな有薗の姿勢を、横尾コーチは頼もしそうに見つめる。
「今はもう、考え方がすごいシンプルにまとまっていますし、その背中を押してあげる感じで、そういう声がけを意識しています。1軍でも、ちゃんと2軍で取り組んできたことはやりきれた、と言ってくれた。そこで出た課題もしっかり整理できて、コミュニケーションも取れている。きょう打ったホームランも、インコースの良い球でしたし、初球の140キロ後半のストレートを1発で仕留めるのは、チーム的にもテーマなので、そこをしっかり打てたのは、1軍での経験が出たのかなと思います。一球一球に対して、しっかり意図も感じますし、意味のない打席が最初のキャンプに比べてすごい減ってきた。そこは成長を感じますね」と目を細めた。
九回、打席に向かう前に横尾コーチ(右)からアドバイスを受ける有薗
次こそは! 待ち遠しい再昇格
シーズンは、まだ前半。2軍で再びアピールすれば、必ずチャンスは訪れる。「今は、1軍に向けての練習がしっかりできています。2軍の月間MVPもうれしかったですけど、早くまた1軍に上がりたいです」
22歳になったばかりの未完の大器は、苦い経験もすべて力に変えていく。