宮西尚生 ドラフト同期・中田翔への思い 引退決断に「翔らしいなとは思う」 自身はまだまだ進化中
ドラフト同期の宮西と中田。あらゆるシーンで仲良く交流してきた
拝啓 ユニホームを脱ぐ中田翔へ
日本ハムの宮西尚生投手(40)が、ドラフト同期で引退を表明した中日・中田翔内野手(36)への思いを口にした。
ここ数年、一緒にプレーした年下の選手が次々とユニホームを脱いでいる。「もう慣れたわ」と苦笑いを浮かべつつ、「でも、同期入団っていう思いはね。一緒に入ったし、その世代が自分1人になっちゃったわけだから、そういう意味ではオレがいつまでやるんやっていう(笑)。さすがに翔より先に終わると思っていたから。いろいろ、けがとかあったんだろうけど…」と言葉をつないだ。
15日、記者会見をする中田
意外な一面に触れたファーストコンタクト
初めて会った日のことは、鮮明に覚えている。日本ハム入団が決まり、鎌ケ谷にある2軍施設へ向かう道中だった。
「高校生でね。一番注目されていて同期だったから。たまたまここ(鎌ケ谷)の施設に来る時に新幹線で一緒になって。(今では)生意気な後輩になったけど、その当時はペコペコしていた。会った時の一番の印象は礼儀正しくあいさつする子やなって思った」。予想外の好青年ぶりに驚かされた。
2007年12月8日、鎌ケ谷の室内練習場を見学する宮西(手前左)、中田(右)ら新人選手
程よい距離感を保ってきた2人
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プロ1年目の春季キャンプはともに1軍スタートだった。「一緒にサイン覚え合っていたな」。シーズンに入ってから宮西は1軍で活躍する一方、中田は2軍暮らしが続いた。「どっちかといえば、お互い後輩を連れて行きたいタイプで、似ているというか。翔が上(1軍)に上がった時は、稲葉さんとかが面倒見ていて。オレもまだ先輩に面倒見られている側だったから。そのまま2人とも順調にいって、次は後輩が入ってくるわけで。コンちゃん(現ソフトバンク近藤)とか、翔は野手を連れて行くし、オレはピッチャーを連れて行くから交わることはないっていう。でも、仲が悪いわけではないっていう」。近すぎず、離れすぎず、良い関係性が続いていた。
2008年の春季キャンプ、ルーキーながら最終クールまで名護組(1軍)に残った宮西(左)と中田
「先にやめるなんてどういうことやねん」→「お先っす」
中田は2021年シーズン途中に巨人へ移籍。腰痛の悪化とともに18年間のプロ生活に幕を下ろすことを決めた。大きな決断をした後輩とは、こんなメッセージのやりとりがあった。
「アイツ、相変わらずだったよ。『オレより先にやめるなんてどういうことやねん』って感じで送ったら、『お先っす』みたいな。そのまんまの翔。翔も自分で言っていたけど、人それぞれ、やめ方がある。やめ時はいろいろ考え方はあるやろうし、翔らしいなとは思う。苦労はあったと思うけど、自分でやりきったと思うんだったら、そこはキレイに送り出してあげたいと思います」
2012年の試合前練習中、宮西(左)にいじられる中田
鎌ケ谷は「鍛え直す場所」
自身は今、1軍再昇格を目指し、鎌ケ谷の地で汗を流している。
「ここは調整する場所じゃなくて、鍛え直す場所だから。それは若い子にも言っています。アピールしなアカンのは間違いないけど、ここで鍛えないことには上では通用しないって」
新球習得にもチャレンジしている40歳
レベルアップを図るため、新球種・カットボール習得にも挑戦中だ。「何か覚えないといけないし、そういう姿勢が大事。後輩が見ているわけだし。そういうところはちゃんとしないとアカンし、それがオレの練習方法だと思う」。今年40歳を迎えたレジェンド左腕の探究心が尽きることはない。
鎌ケ谷で鍛え直す宮西。レジェンド左腕はまだまだ進化中