宮西尚生 1回0封で新球種に手応え 1軍復帰にも前進「メンタルバランスは良くなっている」
6番手で登板し、1回を無失点に抑えた宮西=撮影・工藤友揮
■イースタン・リーグ17回戦 巨人4-3日本ハム(8月24日、鎌ケ谷スタジアム)
6番手でマウンドに上がり1回無失点
日本ハムの宮西尚生投手(40)が6番手で登板し、1回を無失点に抑えた。
今月頭から2軍での調整を続ける中で、心身をリフレッシュするとともに、着手していた新球種の手応えも上々。18年目の進化を遂げつつある頼れる鉄腕が、激化する優勝争いを勝ち抜くための切り札となる。
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貫禄の投球&好フィールディング
今季3度目の2軍戦登板となったこの試合では、先頭打者に左前へポトリと落ちる安打を許したものの、次打者のバントを好フィールディングで自ら処理すると、判断良く二塁でフォースアウト。ピンチの芽を摘んで、スコアボードに「0」を刻んだ。
金子コーチと思惑一致の新球
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この日の宮西には、実戦で試したいボールがあった。「カット(ボール)というか、もう1種類のスライダーというか。それを実戦で試すというところが、きょうはメインだったので」。2軍調整を行う中で、新たなるものを身に付けることを目指していたが、導き出した一つの答えがカットボールだった。
「カットは、下で金子(コーチ)さんと、どうしていくかという中で、僕の悩みと、金子さんのアドバイスとがマッチしたから、それに今、着手してやっています」
新たな武器に納得 「それを磨いて」
許したヒットこそ、投げた球はカットボールだったが、打ち取った当たりがポテンヒットになったもの。「手応えとか数値とか、そういう部分では上出来だったので、それを磨いて、1つ上のランクに行けるように。あとはどれだけカットを投げていくかというのは、慣れの部分に近くなってくるので、8割方できたかなという感じですかね」。プロ18年目で習得した新たな武器は、着々とものになりつつある。
脱力投法で変化球の精度も向上
新庄監督から与えられた「ストライクを取る」という課題にも答えを出しつつある。2軍戦でここまで3イニングを投げているが、9個のアウトのうち6個を三振で奪取した。
宮西が心がけているのは〝脱力〟だ。「こっちに来て、力の入れ方を気持ち7割ぐらいでしか投げていないんですよ。それでもファウルを取れたりしているうちに、チェンジアップとかがすごい良くなったので、その感覚はでかいと思います」
新庄監督の指令が奏功

数々の修羅場をくぐり抜けてきた百戦錬磨の鉄腕ゆえに、「上でランナーを背負った状態で登板が増えていく中で、気付かないうちに力み感が強くなって、そこからのズレがあった」と心身両面での〝勤続疲労〟もあったそう。だが、それも今回の再調整でうまくほぐれつつある。
「ボスからはストライクを取れと言われたけど、ストライクを取るというよりも、力感なく強い球を放れということだと思うし、そういうふうにDMでも言われているので。変化球のキレが良くなったし、フォームよりも腕が振れているという。そこがちょっとずつ良くなっているからこそ、三振が取れているというのはあると思います」。指揮官の助言がうまくハマった格好だ。
あとは首脳陣のGOサイン待ち
この日、クローザーを務めていた柳川の1軍登録抹消が発表された。代わりの中継ぎ投手が昇格することが予想されるが、もちろん宮西もその候補の1人だ。
「もちろん、それ(昇格)を目指して下でやっているので。行ける準備というか、抹消される前の切羽詰まった感とは違う。心もリフレッシュできているし、メンタルバランスは良くなっていると思うので、もう大丈夫かなとは思います」。いつでも1軍舞台へと舞い戻る準備はできている。
狙うは9年ぶりのリーグ制覇&日本一
チームはソフトバンクとの大一番で3連勝。「そこに入れない悔しさというのは、かなり大きいですよね」と語る鉄腕。終盤戦での活躍で2016年以来の優勝をつかみ取るべく、1軍への帰還を目指す。
