宮西尚生 鎌ケ谷で目指す18年目の進化「何かひとつ、また新たなるものを見つけて戻りたい」
9日の2軍戦で好投する宮西=撮影・工藤友揮
8月1日に1軍選手登録抹消
日本ハムの宮西尚生投手(40)が鎌ケ谷の地で再調整を進めている。
プロ生活18年目のシーズンもまもなく佳境に突入。優勝を争うチームに力を与えるべく、来たるべき日に備えて大ベテランがその左腕に磨きをかけている。
とにかく走る 「僕は基本がランニング」
巨人との2軍戦が行われた9日の鎌ケ谷スタジアム。試合前練習を行う日本ハムの選手たちの中に、外野フェンス沿いを黙々と走り続ける宮西の姿があった。
「上(1軍)だと、なかなか時間をつくって走り込みというのはできないから。ファームに落ちたタイミングで、もう一回、体をつくり直すという意味でも、僕は基本がランニングなので、抹消されてからはずっと(外野)ポール間を走り続けています」

栗山CBOからも熱いエール
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ランニングメニューを終えた直後には、その練習風景を見守っていた栗山CBOから声をかけられた。
「ハードなところでの登板が続いていたから、いったん体をゆっくり回復させて。ここからの残りはほぼ全部、大事(な試合)になってくるから、そういうところでしっかりと投げてもらえるように調整してくれ、というようなことを言われました」。かつての指揮官からの言葉を励みに、1軍のマウンドに照準を合わせて、トレーニングに励んでいる。
栗山CBO(右)と言葉を交わす宮西
今季ここまで24試合に登板 防御率は1.72
先月27日のロッテ戦。同点の延長十一回2死満塁で7番手登板した。だが、制球に苦しみ、押し出し四球で決勝点を与えてしまった。その後は登板機会がなく、今月1日に登録抹消となった。
首脳陣から「(ロッテ戦は)大変な場面だったから、一回、リラックスして、また状態を上げてきてくれ」と伝えられた。その言葉通り、抹消直後の数日を、蓄積していた疲労を回復するための時間に充てた。
すべてをプラスに前へ
コンディションを整えて再始動した中で、宮西はある考えを抱いている。
「自分が今、何が足りていないかというのは見つけているし、それを課題として持って練習しています。あとは、せっかく時間があるわけだし、何かひとつ、また新たなるものを見つけて戻りたいという思いは強いです。下だと数値とかを話す時間もあるし、投手コーチにもしっかり見てもらえるしね。キャッチボール中も、金子(コーチ)さんとかが見てくれて、アドバイスをくれたりするので、それを自分の中で良い形で取り入れながら、やっていきたいなと思っています」

新庄監督も待ち望む1軍再昇格
9日の2軍戦では、ロッテ戦以来13日ぶりにマウンドへ上がった。七回に3番手で登板すると、打者3人を3者連続三振で封じるパーフェクトリリーフ。新庄監督からの「ストライクを取ってほしい。どんどんファームでストライクを」というリクエストに応える投球を披露した。
「ボス(新庄監督)から連絡が来て。『そんなに時間もないから、またしっかり上がってこい』という感じの激励の言葉をもらいました」。いよいよ今シーズンも残り40試合。経験豊富な背番号25の帰還を、チームの誰もが待ちわびている。
