引退表明の中日・中田翔へ 松本剛、伊藤ら後輩たちが〝大将〟との思い出を語る
引退を表明した中田翔への思い出をそれぞれ語った(上段左から)加藤貴、石井、上原、玉井、(下段左から)松本剛、中島、野村、伊藤
2008年から21年途中まで在籍
日本ハムの松本剛外野手(32)らが15日、今季限りでの現役引退を発表した中日の中田翔内野手(36)へ向けて惜別の言葉を贈った。中田は2008年から21年途中まで日本ハムに在籍し、持ち前の勝負強い打撃で打点王のタイトルを3度獲得。16年にはリーグ優勝、日本一に貢献した。21年8月に巨人へ移籍し、24年から中日でプレーしていた。ゆかりある8選手が、〝大将〟の愛称で慕われた先輩スラッガーとの思い出を語った。
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加藤貴之投手
16日の楽天戦に先発予定の加藤貴は、かわいがられた後輩の1人だ。入団1年目には『中田賞』のノルマを達成し、財布をプレゼントしてもらった。今は自身が『加藤賞』を創設し、後輩のモチベーションアップのため一肌脱いでいる。
「相当、1年目から食事だったり、連れて行ってもらった先輩でした。日本シリーズの前の日に(実家に)招待していただいて。さみしいですけど、(中田が)決めたことなので、お疲れさまでしたと言いたいですね」
2016年4月16日、プロ初勝利を挙げた加藤貴(右)とともにヒーローとなった中田
石井一成内野手
内野手の石井も、入団時からよく食事に連れて行ってもらっていた。初めて誘ってもらった日のことは今も忘れられないという。
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「さみしいですね。(中田は)常に強気じゃないですか。ネガティブ部分はプレーに出ない。バッティングでも守備でも、強気でやったら、おまえももっとできるよって言ってくれたので。(広島の)実家にも連れて行ってくれましたし、めっちゃ良くしてくれて。初めて誘ってもらった時は、めっちゃうれしかったです。あの中田さんから食事誘われたぞって、すぐ家族にLINEしました(笑)。誕プレとかやりとりして、頂いたリュックは壊れるまで愛用していましたね」
2018年9月、鎌ケ谷でのモンゴル相撲対決で中田(右)に投げられる石井
上原健太投手
思うような結果が出なかった時、励ましてもらった後輩は多くいる。今季リリーフとして活躍する上原もその1人だ。
「うまく行っていない人に対する声のかけ方が天才的。僕は、そういう時しかなかったので。考え方とか、長い年月の中でこれはこういう経験になるとか。みんなが大将、大将って(近づいて)行く。年下にとっては大将なんです。でも、プライベートとかになると、いじられてうれしそうだったりする(笑)。めっちゃ優しいです」
2018年6月18日、プロ初本塁打を放った上原(左)を中田が手荒い祝福
玉井大翔投手
〝大将〟の愛称が定着しすぎて、ちょっぴり困った選手もいた。漢字は違えど、名前が大翔(たいしょう)の玉井だ。
「(思い出が)あるとしたら、ロッカーで僕が名前呼ばれて、中田さんが振り向いて、ややこしいなと怒られたくらいです(笑)。自分は本名なのに…。あと、若い時、よく(相手打者に)死球を当てていたので、一塁(を守る中田を)見ると心強かったですね。守ってくれるなって」
2018年9月、モンゴル相撲対決で中田(左)に投げ飛ばされた玉井
松本剛外野手
選手会長の松本剛は、中田が移籍した翌22年にブレークし1軍に定着。それまでは、1軍と2軍を行ったり来たりすることが多かった。
「僕が大した選手でいられず、なかなか一緒にたくさん野球をできたわけではないんですけど、そんな僕に対しても結構、食事に誘ってくれたり、家にも招いてくれたり。面倒見の良い大将と呼ばれていましたけど、みんなの兄貴分。僕みたいな選手も誘ってくれるんだな、とそれが印象強くて。その時は近ちゃん(ソフトバンク近藤)とか、(ヤクルト西川)遥輝さんとか、(中島)卓さんとか1軍でバリバリやっていて、見ていましたけど。そんな中、僕が1軍にぱっと行っても声をかけてくれたり、食事に誘ってくれた。見た目とのギャップじゃないですけど、こんな優しい人なんだと。いつ会っても声かけてくれましたし、そういう優しい人です。あの人、バケモノですからね。すげえなと思うことしかなかった。守備もうまいし、肩も強いし、バッティング飛ばすのもそうですけど、当てたりするのも上手ですし。極論、バントもうまいし、何やってもセンスある。やろうと思えばできたと思う。そこが大将らしさというか」
2017年4月、1軍に合流した中田(右)と松本剛
中島卓也内野手
多くの時間を共有してきたのが、1学年違いの中島だろう。同じ高卒で日本ハムに入団し、苦楽をともにしてきた。
「さみしいのひと言です。思い出ですか? 若い選手はみんな一緒だったと思うんですけど朝、起こしていたっす。寝坊しないように(笑)」
2015年、ベストナインを初受賞した(左から)中島、中田、大谷
野村佑希内野手
若い世代にとっても、その存在は大きかった。主軸を担う野村にとって、4番といえば中田。プロ2年目の20年に初めて1軍昇格すると、気軽に声をかけてくれた。
「ちっちゃい頃から見ていたプロ野球選手。さみしさはあります。僕らが入ったとき、4番と言ったら中田さんという感じだったので。よく4番像は誰だと言われますけど、出てくるのは中田さんになっていたと思います。すごく優しい。結構、しゃべってくれたりして」
2020年7月2日、サヨナラ打を放った野村(左)を迎える中田
伊藤大海投手
エースの伊藤が、一緒にプレーした期間は半年ほど。名護キャンプ中、大田、石川亮と宿舎近くの海岸に釣りへ行った際に、掛けられた言葉は今も胸に刻んでいる。
「釣り行った時に、おまえが抑えても、もうプロだし、おまえが打たれても、相手プロだからそんないちいち気にするな、と。それは今でも思い出しますね。うまくいかないときとか、大事なことを教えてくれた人だったなって。何でか分からないですけど、気に掛けてくれましたね。試合終わった後、お風呂で一緒になったら声かけてくれたり。自分のことだけではなく、周りのことも見てくれる先輩だなって。目配り、気配り、自分のこともしっかりやりますし。一緒にやったのはもちろんそうですけど、学生時代にファイターズで見ていた選手なので。個人的には(14日の)インスタの投稿でファイターズ(のユニホーム姿)なのはうれしかったです」
21年3月14日、投ゴロをさばく伊藤(中央)と中田(左)
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