【一問一答】稲葉2軍監督 引退発表した中田翔へ思い語る「最後の最後まで自分の雄姿を」
引退を発表した中日・中田への思いを語る稲葉2軍監督=撮影・工藤友揮
本当に弟のようにかわいがってきた
現在北海道遠征中の日本ハム2軍を率いる稲葉篤紀監督(53)が15日、北海道社会人・学生選抜とのプロアマ交流試合前に報道陣への取材に応じ、2008年から14年まで日本ハムでともにプレーし、この日今季限りでの現役引退を発表した中日・中田翔内野手(36)への思いを語った。一問一答は以下の通り。
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―中田翔が現役引退を発表。事前に連絡などはあったか
「そうですね。ありましたね」
―引退を受けての率直な気持ちは
「そういう時が来たか、という感じですよね。ここ最近ケガで苦しんでいたのは、ずっと知っていたんですけども。いよいよそういう時が来たな、と」
2014年の日米野球で本塁打を放った中田(左)を迎える稲葉打撃コーチ
―現役時代の中田との思い出は
「いろいろありすぎて、何が、というのはなかなか見当たらないんですけど。でも本当に弟のようにかわいがってきたし、翔とも一緒に練習をたくさんしながら、いろいろなことを伝えていったつもりではありました。でも、ここまでしっかりやれたと思いますし、本人もある程度やりきったという感じはあるんじゃないですかね」
2008年の春季キャンプで守備練習をする中田(右)と走者の稲葉
―引退の報告を受けて、どんな話をしたか
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「LINEでの連絡だったんですけど、最後までやりきれと。最後まで頑張りなさい、ということは伝えました」
―近年ケガに苦しむことが多かったが、そんな姿を見て心苦しい部分もあったのでは
「心苦しいというか、もがいている姿というのは、いろいろな人が、若い選手が見て、やっぱり翔でもそうやってもがいている、これだけ年齢がいって、これだけ活躍した人でも、やっぱりこうなるんだということが、ドラゴンズの選手も見て学ぶことはあるでしょうし。本人は苦しいでしょうけど、周りに与える影響というのは、実はすごく大きいことがたくさんあるので、そういうのも残せたんじゃないかなと思います」
2013年、室内トレーニングに励む中田(下)と稲葉
―中田にとって、稲葉がバッティングの師匠でもあったという話を聞いたことがある
「師匠ではないと思いますけど(苦笑)、当時のヘッドコーチである福良さんと、翔の(打撃)フォームを固めよう、ということになって。元々ノーステップでずっと彼は打っていましたが、足を上げて打つということを、本人がこれをやりたいということで、ずっと素振りも一緒にやって、じゃあこの形で打とうよ、という。だから、足を上げたきっかけは、たぶんそこだと思うんですよね、翔の基本的なフォームができたというのは。だからそうやって、若いときから、ともにフォームづくりから一緒にやれたという意味で、そう言ってくれるのかな」
―最後のシーズンの残り試合をどう戦ってほしいか
「チームのためでしょうね。チームのためもそうだし、これまで応援していただいたファンの方たちにも、最後の最後まで自分の雄姿を見せるのは、これはもう礼儀だと思うし。今のドラゴンズも、ジャイアンツも、ファイターズもそうですし。3球団を渡った中での、たくさん応援してくれた方たち、野球ファンもすべて含めて、最後の最後まで苦しんで、自分の姿を見せたらいいんじゃないかと思います」
2012年の日本シリーズ第4戦でサヨナラ勝利に駆け出す稲葉(左端)と中田(同2人目)
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―引退後も野球に携わってほしいか
「彼の人生なので、何をやるかはちょっと分からないですけど、でも本当に後輩の面倒見もいいですし、先輩への礼儀とか、あいさつとか、信用した人には本当に尽くすというか、そういう一途な男なので。たまに誤解されることもありますが、本当は優しいやつで、絶対に人を裏切らないやつだと思うので。次のステージというか、何をやるかは分かりませんけど、世のため、人のために頑張ってほしいと思います」
2014年、稲葉(右)の引退セレモニーで花束を渡す中田