高木駿が抱く感謝と後悔の念「結局、勝たなければ良いチームとは言ってもらえない」
前節の長崎戦で両足をつって途中交代したGK高木。監督交代の意味を重く受け止め、次節の活躍を誓う=撮影・宮西雄太郎
■8月14日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌のGK高木駿(36)が14日、札幌市内で行われた全体トレーニングに参加し、第26節・秋田戦(16日、プレド)へ向けて調整した。柴田慎吾新監督(40)になって初めて迎えるリーグ戦。守護神は「監督が代わって、やることが変わらないと意味がない。結果も内容も良くするために、できる限りのことをしたい」と言葉に力を込めた。
長崎戦の後半飲水タイム直後にアクシデントが
まさかのアクシデントが、手痛い逆転負けを招いた。1―2で敗れた前節の長崎戦で、高木は同点で迎えた後半の飲水タイム直後に、突然ピッチへ座り込んだ。同72分に交代を余儀なくされると、札幌は試合終了間際に勝ち越し点を献上。上位チームを直接叩くチャンスを逃し、PO圏進出が遠のいた。

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「両ふくらはぎをつってしまった。後半15分くらいからつり始めて、なんとか蹴られるところだけ蹴って、だましだましやっていたけど無理でした。プレーを続けられなかったので、スミマセンと言って交代しました。ケガ明けで体のコンディションとトレーニングの負荷と体調と気温と水分と…。いろいろなことが重なって起きてしまった。チームに迷惑を掛けてしまったので、教訓にして次からしっかりやろうと思います」
「大樹さんのことは本当に好きだった」
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痛恨の敗戦は結果的に、監督解任の決定打となってしまった。左膝前十字靱帯断裂と腰椎椎間板ヘルニアの手術から復帰し、566日ぶりの公式戦出場を実現させてくれた岩政前監督に対して、高木は「大樹さんのことは本当に好きだった。信頼して試合に使ってもらえて、魂のこもった良い監督でした。僕はケガをしてやりきれなかったので、悔しい思いがあります」と感謝と後悔の念を抱く。結果が物言うプロフェッショナルの世界。複雑な感情を胸にたたんで、背番号51は前へ進む。

新スタイル〝スペースアタッキング〟習熟へ
シーズンは残りわずか13試合。柴田新体制で巻き返しを図るクラブは、ミシャの哲学を根幹にする攻撃的サッカーで白星量産を狙う。〝スペースアタッキング〟と題する新たなスタイルを短期間で落とし込むため、チームはこの日も攻撃面の連係を入念に確認した。
「ゴールを目指すには中(盤)に縦、横、斜めのパスを意識して、スペースを使った流動性もなければいけない。すごく変わるわけではないけど、ボール保持や攻撃の感覚、考えにちょっとした違いがある。よりボールを大事にして、しっかりゴールにボールを運んで迫っていく、というところが変わるのかな。結構、面白いサッカーができると思います」
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見るものを魅了する攻撃的サッカーは、守備陣の安定なくして実現不可能だ。ゴールマウスを守る男は「結局、勝たなければ良い監督、良いチームとは言ってもらえない。勝たないと意味がないので、その可能性と確率を上げるだけ。思い切ったサッカーをすると思うので、楽しみです」。卓越した足元の技術と安定感あるセービングで、初陣を勝利に導く。
