柴田新体制がスタート「何かを成し遂げる唯一の方法」伝えたバスケの神様の名言は…
会見に出席した柴田新監督が両手でガッツポーズ=撮影・北波智史
■8月12日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
赤黒の戦士たちが新たなスタートを切った。北海道コンサドーレ札幌は12日、札幌市内で柴田慎吾新監督(40)を迎え、初練習を行った。J1昇格を託された指揮官は、トレーニング前に約40分間のミーティングを実施。クラブの目指す攻撃的スタイルを洗練し、目標達成へ向かう覚悟を選手たちと共有した。練習後には竹林フットボール部部長が同席し、会見を開催。監督就任への経緯と、残り13試合になったシーズンへの抱負を熱く語った。
初練習終え「今までの指導現場とさほど変わらない印象」
フィールドの上で、若き指揮官の笑顔がはじけた。5対5や紅白戦を行い、新体制での初練習を終えた柴田監督は「実際にピッチへ入れば、1サッカー人としてシンプルに目の前のトレーニングに集中できた。練習に入れば、今までの指導現場とさほど変わらない印象です」と、初々しく感想を口にした。
初練習で選手に動きを指示する柴田新監督(中央)
【コンサドーレ 関連ニュース一覧】
クラブの歴史を知る男に、バトンは渡された。柴田監督は札幌で現役プロ生活をスタートし、引退後もアカデミーのコーチや監督を歴任。トップチームでの指導経験はないが、今季はU-18を率いるなどコンサドーレの内部に精通している。
クラブの栄光と没落を経験してきた指揮官は今季、U-18の監督に就任したばかり。アカデミー組織の強化を重視するフロントは、外部からの招聘も探った上で熟考を重ね、柴田監督に札幌の未来を託した。
竹林部長「まさしく今クラブが求めているもの」
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
竹林部長は「現役でプレーし、長きにわたってアカデミーの指導者としてやってきた。歴史をよく分かっていて、良かったときのコンサドーレをすごく理解している。彼がこれまで吸収したサッカースタイルは、まさしく今クラブが求めているもの。ミシャさんが築き、クラブが大事にする攻撃的スタイルをすごく勉強しているので、心配はない。朝のミーティングでも、堂々と選手に伝える姿を見たときには鳥肌が立った。強みはこの自信に満ちた監督としてのオーラだと見直しました」と、J最年少監督へ全幅の信頼を寄せた。
会見に同席したフットボール部部長の竹林京介氏(左)
柴田監督は練習前のミーティングでバスケの神様の名言を引用し、選手たちの心を奮い立たせたという。伝えた言葉は〝ステップ・バイ・ステップ〟。NBAで大活躍したマイケル・ジョーダン氏が残した、成功の秘訣を表すフレーズだ。
J1昇格へ一歩ずつ、かつ一体感を持って加速して
「僕のすごく好きな言葉で、今の組織の状況にマッチすると思いました。今の年齢の子がマイケル・ジョーダンを知っているのか心配でしたけど(笑)。バスケットボールの神様、スーパースターが何かを成し遂げる唯一の方法はステップ・バイ・ステップ、一歩ずつ立ち向かうことだと言っている。才能もあったと思うが、そのマインドだからこそ、その域まで到達できた。うちも苦しい状況ですが、何かあれば劇的に好転する可能性はある。みんなで1つになって、一歩ずつJ1昇格に向けてやっていこう、と。ただ、その一歩がちょっとずつでは間に合わない。一体感を持ってそれを加速していこうと伝えました」
選手に話をする柴田新監督
シーズンは残り13試合。思い描くフットボールをチームに落とし込む時間は決して多くない中で、若き指揮官は札幌の新たな攻撃的スタイルを模索する。
攻撃的にやるためには「後ろの安定がマスト」
「ミシャさんがこのクラブに残してくれた攻撃的なフットボールを継承して、もっともっと深めていきたい。フットボールはスペースの奪い合いだと思っていて、一言で表すならスペースアタッキング。1つはしっかり幅を使って仕掛けたい。攻撃的にやるということは何よりも後ろの安定がマストになる。闇雲に攻めるのでなく、攻守はつながっているものと考えています」
クラブの決断を吉とするために、OB監督の挑戦の日々が始まった。
【2000円お得! 道スポの年払いプラン】
