荒野拓馬が亡き恩師への思い胸に2戦連発狙う「残りのサッカー人生は育ててくれた人のために」

■8月8日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌はあすの次節アウェー長崎戦(9日午後6時開始、ピースタ)に向けて札幌市内で最終調整し、敵地へ向かった。前節の鳥栖戦に勝利し、8月のチーム目標とする5連勝へ幸先の良いスタートを切った札幌。岩政大樹監督(43)は勝ち点5差でPO圏内6位に位置するライバルとの一戦を前に「ここが大一番になるぞ」と選手たちを引き締めた。前節に今季初得点を奪って勝利に貢献したMF荒野拓馬(32)は、アカデミー時代に指導を受けた恩師への追悼の思いを胸に2戦連発、2連勝へ意欲を見せた。
前節鳥栖戦は途中出場ながら決勝ゴール
前節は途中出場ながら虎の子の1点を奪って1-0勝利に貢献した。MF田中宏の左クロスを取り損ねた相手GKのミスを見逃さず、荒野はこぼれ球をそのまま右足ボレーで決めた。「したたかにそういうところは狙っていきたい。ちゃんと詰めていることが大事」と、豊富な運動量を生かし、ボランチながら相手のペナルティーエリア内に積極的に入って行ったことが功を奏した。
「(ボールを)展開した後に自分は運動量があるので、そこに入って行けるパワーがある。あすもチャンスがあれば入って行きたい」と、長崎戦での2戦連発を狙う。0-2から追いついた前回対戦も、右クロスからニアサイドでのヘッドがこぼれてMF近藤のゴールへとつながった。次も「そういうことをやりながら結果を出せるようにしたい」と、得点のにおいを嗅ぎ分け、チャンスは逃さないつもりだ。
マテウスジェズス、山口蛍らタレント揃い
相手の長崎はリーグトップタイの10得点を挙げているMFマテウスジェズスや元日本代表MF山口蛍らタレントを擁する。「個のレベルが高いチームだと思うけど僕たちも強い」と意に介さない。ボランチの山口とは対峙することも予想されるが、「名前がある選手だけど、まだまだ自分は負けないと思っている。マッチアップしたらチャンス」と、中盤の主導権を譲るつもりはない。

元札幌で世代別代表でも共に戦ったDF櫛引一紀(32)とは前回対戦で対峙し、ともにフル出場。互いに譲らず2-2の痛み分けだった。ここ3試合は櫛引もスタメンから外れているが、「出てきてくれたら嬉しい。昔ここで一緒に戦った仲間と(試合が)できることは嬉しいこと」と、盟友との再戦も心待ちにした。