《岩本勉のガン流F論》欲しかった有原に重圧を与える攻撃
■パ・リーグ17回戦 日本ハム1-4ソフトバンク(8月9日、みずほペイペイドーム)
悪癖を払拭していた有原
明暗が分かれた。先発マウンドに上がった日本ハム・加藤貴とソフトバンク・有原。まずは有原からいこう。日本ハム時代も含め、打たれ出したら止まらないシーンを何度か見てきた。たが、その姿はもうない。この試合に限っても、わざわざボール球から入り、バッターの動きを観察する冷静さを見せていた。
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必要なのはウイニングショットからの逆算
一方の加藤貴。その瞬間ごとに打者のタイミングを外すことに注力していたように見えた。味方が点を取った直後、山川に食らった一発もそう。ストレートで1ボールになってからの2球目。タイミングを外しにいった変化球がフワッと浮いてしまった。
打者を仕留めるにはウイニングショットからの逆算が必要。それができていたのは有原だったと言わざるを得ない。
強攻策で併殺 ピッチャー心を知る者として…
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打線は散発4安打に抑え込まれた。最大のチャンスは七回。万波が四球で歩き、田宮が右前打で続いて無死一、二塁とした。ここで打席に水野。ベンチは強攻策を選択した。
ベンチワークに苦言を呈する気はさらさらない。ただ、ピッチャー心を知る者として言いたい。あのシーンは送って1死二、三塁にされるのが嫌だったはずだ。
大量点を取りにいく選択もあるが…
ヒット1本で1点差。三塁に走者がいるため、ショートバウンドにも気を使う。いわゆる投球に制限がかかるのだ。結果的にアウトコースのチェンジアップで水野を注文通りの併殺。続く五十幡は圧倒的な力で空振り三振にねじ伏せた。
一気に大量点を取りにいく選択も確かにある。ただ、得点できなくてもジワリジワリと相手バッテリーを苦しめていく攻撃も効果的ではある。終盤、一発のあるバッターに必ず打席は回ってくるのだから、相手投手に与える重圧は相当だ。
心強いリリーフ陣の存在
敗れた。だが、まだ直接対決は8試合を残している。この日、リリーフ陣は万全のリレーを披露した。それぞれが手分けしてイニングイーターになってくれた。この3連戦、いや、その後も展開によってはリリーフ陣フル出場も考えられる。中継ぎ陣の充実はファイターズにとって心強いポイントだ。