斎藤友貴哉 1回0封で10試合連続無失点「『行くだけ』じゃなくて、続けるだけ」
六回、3番手で登板した斎藤=撮影・小田岳史
■パ・リーグ17回戦 日本ハム1-2ソフトバンク(8月9日、みずほペイペイドーム)
付け入る隙を与えないピッチング
続けるだけ―。日本ハムの斎藤友貴哉投手(30)が3点ビハインドの六回に登板。まずは四回に本塁打を放っていたダウンズから三振を奪うと、川瀬を一ゴロ、最後は海野を空振り三振に仕留め、3人斬りの好投を見せた。
150キロ超の真っすぐとスプリットを組み合わせた投球で、10試合連続無失点。勝負の夏場に示している安定感で、ブルペンを支えている。
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六回、3番手で登板した斎藤=撮影・岩崎勝
抜け球も利用 「気持ち入ってました」
「球は抜けてたりしていたんですけど、そこを変化球でしっかりカバーできたので、抜けているのも利用しながらじゃないですけど、しっかり投げられたかなと思います。3人でしっかりゼロで抑えることができた。気持ち入ってました」
得意とする鷹狩り
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斎藤は日本ハム加入後、いまだソフトバンクに得点を許していない。昨季は9試合(クライマックス・シリーズを含めると10試合)、今季は5試合に登板し、防御率は0.00だ。
「本当に気合入れている結果だと思うので。ソフトバンク打線はすごい強いんで、相性とか関係なく気持ちでいっているっすね」。残り42試合で首位を撃ち落とすためには〝鷹キラー〟の存在は大きな光となる。

新庄監督からの贈り物を有効活用
直近5試合の登板では四死球も与えておらず、課題の制球も安定してきている。そこには、ある〝相棒〟のサポートがあった。新庄監督からブルペンに贈られた打者を模した人形「ダミーくん」だ。斎藤も軽めの投球練習「タッチアンドフィール」を行う際にフル活用している。「ダミーくんでしっかり相手打者のインコースだったりをイメージして、キャッチボールが終わった後のタッチアンドフィールがしっかりできているので、イメージ通りに投げられてます」。「ダミーくん」を仮想の打者に見立てた、実戦を意識した練習が好結果につながっている。
「ボスからブルペンに『これ使って』って贈られてきたものなので、最大限利用して。相手打者をしっかりイメージしながらっていうのが、たぶんメッセージ。しっかりダミーくんと毎日、コミュニケーションを取りながら。(ダミーくんは)話すことはできないんですけど、練習での意図をあっちもくみ取ってくれていると思うので、しっかり自分も今後もゼロでいきたいなと思います」

チームとともに最高の秋へ
首位攻防戦の初戦に敗れ、ソフトバンクとのゲーム差は「2」に広がった。ここからの終盤戦は気持ちの面でも相手に負けるわけにはいかない。
波に乗っている斎藤は「1試合1試合、ゼロで抑えるだけ。それもしっかり気持ちを込めて1試合1試合、積み上げていきたいなと思います」。そして「続けるだけです。『行くだけ』じゃなくて、続けるだけです。本当に気合入っているんで」。好投を続けるだけ。その先に歓喜の秋が待っている。