高嶺朋樹 周囲が輝く主将の献身「さらに洗練して長崎戦へ…」
次節・長崎戦へ向けて調整したMF高嶺(中央)=撮影・宮西雄太郎
■8月7日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
主将の献身が、勝利を呼ぶ。北海道コンサドーレ札幌のMF高嶺朋樹(27)が7日、札幌市内で行われた全体練習に参加し、第25節・長崎戦(9日、ピースタ)へ向けて調整した。勝ち点差5を追う6位チームとの直接対決。強敵から価値ある白星を奪い、PO圏進出へ勢いを付ける。
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シーズンの行方を占う一戦へ、気持ちは自然と高ぶる。前節の鳥栖戦に勝利したクラブは、再びの難敵撃破へ集中力を増している。活気溢れる練習を終え、ピッチから引き揚げた高嶺は「大事な試合に変わりはない。俺たちは勝つしかない。差を縮めるチャンスなのでPO圏内に入るためにも必ず勝ちたい」と語気を強めた。

4月の前回対戦は0-2の劣勢に陥りながらも、後半ATに原が劇的同点弾を決めて引き分けに持ち込んだ。相手の強さは、十分すぎるほど把握している。勝ちへの道筋を探る主将は「監督が替わってフォーメーションも変わったので、前とは違うサッカーになっていると思う。それでも個人能力は高いので、攻めているときのリスク管理を徹底しながらやっていきたい」と警戒を強めた。
鳥栖戦で負傷するも気丈な振る舞い 新システムでは生命線に
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強靱なメンタルとタフな肉体を誇る男は、泣き言を一切言わずピッチに立ち続ける。前節の鳥栖戦では前半8分に右膝を痛め、芝生の上に倒れ込んだ。後半72分にも同箇所を気にする仕草を見せ、1度は座り込んだが、再びフィールドに戻って試合を戦い抜いた。
痛みがないはずはない。それでも週明けの全体練習に欠かさず参加し、気丈に振る舞う。誰よりも重い責任を背負う男は「気になる感じはあるけど大丈夫」。粉骨砕身の覚悟を持って、札幌をけん引している。

攻守の要を担う背番号6の存在が、チームメートを輝かせる。中断期間明けから3バックに変貌を遂げた札幌の生命線は、ピッチを縦横無尽に駆け巡る高嶺だ。鳥栖戦で右CBを務めた西野がリスクを冒してでも前へ出られたのは、圧倒的な運動量でスペースを埋めてくれる主将がいたからだ。
「後ろをやった経験があるので、そこが生かされていると思う。自分が周りを見て、西野が行くならカバーに走ります。ビルドアップも相手のフォーメーションに合わせて、形を変えてやっていきたい。鳥栖戦では上手くいかない場面も多かったけど、さらに洗練して長崎戦へ向かいたい」

シーズンは残り14試合。内容以上に求めるのは、勝ち点の上積みだ。「時間帯によってのプレーの選択が明確になりつつあって、それが安定した結果につながっている。鳥栖戦のように自分たちのやりたいサッカーができないときも耐えられたら」。白星への執念が、その体を突き動かす。
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