〝アゲホイ〟再び 北海の吹奏楽局OGが甲子園球場でアルバイトする理由【夏の甲子園】
甲子園のグッズ売り場でアルバイトしている北海吹奏楽局OGの後藤さん=撮影・西川薫
2年前出場時にバズった応援パフォ
今年も北海の〝アゲホイ〟が甲子園に響き渡る。2023年の前回出場時、北海吹奏楽局の応援パフォーマンス「アゲアゲホイホイ」がSNSでバズった。その時、フルートの演奏を担当していた後藤和奏さん(京都産業大2年)はこの夏、甲子園球場のグッズ売り場で短期間のアルバイトを始めた。8月10日の1回戦はバイトの休みを取って母校のアルプススタンドに駆けつけるという。
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2023年の南北海道大会決勝でフルートを吹く北海吹奏楽局OGの後藤さん(手前左)=本人提供
好きな曲はやっぱりアゲホイ
いよいよ2年ぶりにアルプススタンドで応援する瞬間が近づいている。当時は「違う高校の友達も『Tik Tokを見たよ』とか結構、言われました」と反響は大きかった。今年の吹奏楽局は総勢61人の部員がいるが、滞在費の兼ね合いで3年生19人と下級生の有志で大阪入りする。後藤さんは、後輩たちの助っ人にも意欲を見せるが、「メガホンでも応援したいなっていう気持ちもあります。好きな曲はやっぱり、アゲアゲホイホイですね」と声を弾ませた。
映画「青空エール」をきっかけに
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3歳からピアノを習っていて音楽は大好きだったが、中学では軟式テニス部に所属。吹奏楽局へ入部したきっかけは映画「青空エール」だ。同作は竹内涼真が演じる野球部員と、彼に恋心を抱く土屋太鳳演じる生徒が吹奏楽部に入部し、「甲子園で応援する」という約束を交わす青春物語。「映画を見た時に、応援しているのを見てかっこいいなと思って。北海高校が甲子園常連校ということもあって、甲子園で演奏したい、応援したい」と北海に進学した。
2023年の南北海道大会決勝で演奏する北海の吹奏楽局のメンバー
在学中に2度出場も最初はコロナ禍
入学直後の21年夏、現ソフトバンクの木村大成投手(21)、現巨人育成の大津綾也捕手(22)のバッテリーを中心に、春夏連続で甲子園に出場。しかし、コロナ禍が続き、応援は事前に録音した音源をスピーカーで流す方式が採用された。「残念だった。めっちゃ行きたかったんですけど。でも、コロナで仕方ないなと。心を込めて録音しました」。
級友にかなえてもらった甲子園の夢
3年夏、クラスメートだった熊谷陽輝投手や堀田晄大外野手(ともに中央大2年)らの活躍で甲子園出場を決め、聖地で3試合の応援が実現した。「甲子園で演奏できるという夢を野球部にかなえてもらった。初心者で入ったので、音を出すことも難しくて、最初は入ったこともちょっと後悔っていうか、できなさすぎて入らなきゃ良かったかなと思ったんですけど、やっぱり甲子園で吹きたいという夢があったから3年間、頑張れた。甲子園で演奏できたのは本当に高校の中で一番の思い出で、大学でせっかくこっちに来て甲子園も近いので、また甲子園に行きたいなって」と、甲子園球場でのアルバイトに応募。しかも偶然にも、母校が2年ぶりに出場する幸運に恵まれた。
初戦を突破すれば、2回戦は14日。その後は北海道に帰省するため、「勝ってもらって、もう1試合いきたいです」。野球部だけじゃない、吹奏楽局OGも心を一つに勝利を願っている。
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