郡司裕也 誇りにするチームでNo.1のもの 「胸張ってというか、頭張って(笑)」生きるワケ
〝EL〟サイズの帽子を誇らしげに?見せてくれた郡司=撮影・松本奈央
誰にも負けない頭の大きさ!
日本ハムの郡司裕也捕手(27)には、誇れるものがある。頭の大きさだ。標準的な日本人男性のサイズは57センチだが、62センチありチームで一番。「そこは譲れないですね」と胸を張る。
試合で使用している帽子のサイズは、聞きなじみのない『EL』。郡司の要望もあり、新しいサイズが導入され、同じ捕手の伏見とともに着用している。

「頭がでかい人たちの味方でありたい」
最近では球団の企画として、キャップのデザインにも関わった。テーマは「頭がでかい人たちの味方でありたい」だった。
フリーサイズだが「あれは郡司仕様なので。みんなもっと小さいらしいです。僕用にでかく作ってくれたらしいです。つばが広い分、小頭(ことう)効果があると思います。小顔効果ならぬ、小頭効果です」
こだわりのキャップが即完売
あえてフロントは何も入れず、後ろにはきつねダンスの刺しゅうを入れ、シンプルながらもこだわりのあるデザインに。「今、売り切れらしいので。人気で。シンプルな方が売れると思ったんですよね」。思いが詰まった帽子は、即完売だったという。
こんな時代だからこそ自ら…
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慶大出身で頭脳明晰。抜群のコミュニケーション能力を併せ持つ郡司は、事あるごとに頭がでかいことを〝持ちネタ〟にしてきた。それには深い理由がある。
昨年のオールスターゲームでも、用意された練習用の帽子が小さいとつぶやいていた郡司
「頭でかいって、このルッキズムの時代において唯一、イジってもいい場所というか。誰でも笑えるし、イジられた側も何も思わないものだと思う。人の容姿をコンプラ的にイジってはいけない時代において唯一、許されるコンテンツだと思うんですよ。だからこそ、こうやって胸を張って笑いにできる」
人生においても実践する「弱点を強みに」
周囲の人たちを楽しませたい。サービス精神旺盛な背番号30の手にかかれば、悩みも長所に変わる。
「やっぱ弱点を強みに変えるというね。人生において大事なことですから。笑いに変えるというね。もちろん、デメリットの方が多いんですよ。それを強みに変えるという人生の生き方にもつながってきますよね。ただ、頭がでかい、面白いね、だけではなくて、コンプレックスを笑いとかそういうのに変えていく人生でいこう、という表れなんですよ。自虐ネタがウケるのは、素晴らしいことなんです」

ベテラン捕手も感化された!?
そんなポジティブな思考は、チームメートにも影響を与えている。
「(伏見)寅威さんは最初、頭でかいのは、オレはええってみたいな感じだったんですけど、僕が笑いに変えているのを見て、寅威さんも頭でかキャラつくろうとしていますね。最初は隠していたんですけど。寅威さんもだんだん胸張って生きるようになってきましたね。胸張ってというか、頭張って(笑)。頭でかい人の方が、引き出しが多いですからね」
郡司(右)に感化されつつある!?伏見
今やファイターズに欠かせない戦力
中日から移籍3年目の今季は捕手での出場機会も増え、〝マルチプレーヤー〟として存在感を発揮している。
新天地でチャンスをものにした男は、その生きざまもかっこいい。