北山亘基が我慢して6勝目 答えは一つだけではない? 正解を決めつけない深い思考が強さの源
6回1失点で6勝目を挙げた北山=撮影・小田岳史
■パ・リーグ13回戦 日本ハム10-1西武(7月16日、ベルーナドーム)
あふれる向上心と探究心
日本ハムの北山亘基投手(26)が16日、ベルーナドームで行われた西武戦に先発し、6回1失点でキャリア最多タイの6勝目を挙げた。毎回安打を許す苦しい展開も粘り、最少失点で切り抜けた。防御率はパ・リーグ2位の1.40。あふれる向上心と探究心が、頼れる4年目右腕の力の源になっている。
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ピンチの連続を最少失点に
万全ではなかったが、耐えてしのいだ。一回の1死満塁に始まり、安打と四球などで何度もピンチを招いた。三回には1死一、三塁から適時打で1点を失った。しかし、ここから追加点は阻止。試合後は「言いたくないですけど、状態があまり良くなくて。球場の蒸し暑さと相まって、どうなるかなと思っていたんですけど、何とか最少失点で粘れたので、そこは成長したのかなと思います」と安堵の表情を浮かべた。
三回1死一、三塁、西武・山村に適時打を打たれた北山=撮影・中川明紀
被安打7、与四球3。主導権を握り、相手をねじ伏せるような投球ではなく「相手をしっかり観察して、どう待っているか、どうスイングしてくるか、何となくですけど、自分なりにイメージして。そこだけは投げないように。そこからずらすようにして」と苦心しながら組み立てた。続けて、仲間の援護に触れ「きょうは外野の好守に助けられました。結果が凡退になっているだけで、いい当たりをされていたので。野手が打って守ってくれたので、そこは感謝です」と謙虚に言葉をつないだ。
たどり着く結果には無数の道すじ 全てはつながっている
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前半戦の段階で今季6勝目。強さの秘密は柔軟な思考にある。物事の本質を見誤らない。成長の要因を自己分析する際に「何かということではなくて、全てつながっていると気づいたことが重要。これをやったから良くなったと考えているうちはうまくならなかった。短期的に良く見えても、すぐに悪くなったり。結果と原因を1対1で考えていたんですけど、それは違っていた」と説明した。

解釈の数を増やせたことで成長
固定観念にとらわれない。学生時代から幅広く知識を蓄え、さまざまなことにチャレンジした。そこでたどり着いた境地がある。「1+1は2だけと(当初は考えていた)。でも答えが2になる求め方は、4-2も4÷2もある。答えがあることに対して解釈の数を増やせたことが成長できた要因かなと。ピッチング一つにしても、日常生活も大事だし、練習も大事。練習も技術練習はもちろん大事ですけど、体づくりやコンディショニングも大事で。道すじが無数にある」。

黒か白かを決めつけない
向上するための取り組みは多岐にわたる。どれもおろそかにはしない。だから一つに結論づけることを嫌い、探求を続ける。「何かやったらこれが良くなったと断定してしまうと、数字に対する答えと同じで、そこが限界点になってしまう。黒か白か決めつけるのではなく、グレーも許容できるような、受け止め方をしたい」。現役を続けている限り、満足することはきっとない。北山の野球を極めようとする生き方は、不変だ。
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